つらつらきまま


2009年06月14日(日)
笑福亭クッション師匠


お昼は中席、夜は「五代目桂文三襲名披露興行」を見るため、ほぼ一日中国立演芸場へ。
 襲名披露興行は、開場前に携帯を見たら上司から急きょ仕事の発注メールが届いていて、テンション急降下。
 昨年の「鶴瓶噺を文字通り泣く泣くキャンセルして泣きながら深夜まで仕事」の悪夢がよぎったが、それ以上によぎったのが“『師匠・柳昇の独演会ゲスト』と、『10年に一度のポール・マッカートニー来日公演』が被った結果、ポールを選んだ昔昔亭桃太郎師匠の一言→『どっち選ぶって言ったら、そりゃポールでしょ』”。

 私も、今日だけは(今日も、てな気は自分でも大いにするけど)この襲名披露公演を選び、「今日は22時ぐらいまで外出予定なので、帰宅後対応いたします」と返信。
 実際、終演後は急いで家に帰り、発注内容をチェックしてみたら1時間程度で片が付くものだったので、一安心。
 というか、上司自身が自分で対応できるじゃん...という内容だったけど。

中席は、仲入り前は年配男性のいびき、仲入り後は何でも話に入ってきたがる中年女性達と、どちらも寄席特有のハプニングが連発。
 場馴れしているベテランさんばかりだったので、うまくいなしていたけど。

 初めて聞いた東京丸・京平さんの漫才が面白くて、やっぱり漫才も好きだなぁ、なんてことを思った。
 漫才といえば、今年の百式は9月開催だそうだが、9月18〜27日まで遅めかつ長めの夏休みを取って実家に帰る予定なので、27日以外に東京が組み込まれたら、百式8年目にして欠席ということに。
 無理やり、大阪か名古屋にそうなったら行きそうだけど。
 
今日の中席のトリは昔昔亭桃太郎師。
 少子化や天気予報や着物など、お馴染みのマクラをマイペースに繰り出した後、「唄入りぜんざい公社」。
 今日は「せこい茶碗だねぇ」が聞けたが、「歩く姿が可愛いっていわれるんだ」はナシ。 
 今日の客層に可愛らしさを振りまくのは無駄だと思ったのかどうなのか。

夜の披露興行。
 今回、奇跡のぴあのおかげで、私の席は1列目ど真ん中。
 マンツーマンで落語をしてもらっているような錯覚に100%陥ってしまうような素敵席。
 鶴瓶さんに何度うっとりした視線を送ってみたことか(^^;。
 今日の「青木先生」は、後ろを向いて喋るところが何度もあるのでピンマイクを国立演芸場のスタッフにお願いしたところ、なんと「別料金となります」との返事が。
 「ぜんざい公社」の設定を地で行く国立演芸場。
 結局ピンマイクなしで乗り切る。

仲入り後は全員並んでの襲名披露口上。
 しかし、幕が下りているときから既に幕の向こう側では何か慌ただしいやり取りがかすかに聞こえてくる。
 幕が開くと、全員下を向いていて、拍子木が鳴りやむと、文三さん以外は顔を上げる。
 こういうとき、誰か一人は何か笑いをこらえているお調子者がいるが、この襲名披露口上では、笑いをこらえているものがなんと全員。
 東京の落語界から一人参加している柳亭市馬師は、“笑ってはいけない”と思えば思うほど自分を追い込んでしまうタイプなのか、まだ始まってもいないのにかなりの臨界点に達している模様。
 耳元で「おならプー」とか超くだらないことを囁いたら、かなりの確率で爆発しそうだった。
 
 ただでさえ際どい状況なのに、披露口上の司会が桂きん枝さんだったので、本人は真面目にやる気満々なのにちょいちょい色んなことを間違えていることが発覚し、おごそかで張りつめた雰囲気は雲散霧消。
 
 口上トップバッターの市馬さんが、お祝いに代えて立派な相撲甚句を朗々と謳いあげてしまい、居並ぶ平成の上方落語重鎮(三枝会長、鶴瓶副会長、文珍師)はこぞって困惑。
 誰が市馬さんの次にやるのん?と三枝会長が言うと、「大丈夫です、間にクッション挟みますから。では」と、言いながら鶴瓶さんを見るきん枝さん。
 クッション呼ばわりに度肝を抜かれながらもきん枝さんをどつく鶴瓶さん。
 客は大盛り上がり。
 
 全体に渡ってきん枝さんはこんな調子で、「社団法人上方落語協会」を「財団法人」勝手に変更したり、「2期目を迎えられた上方落語協会会長、桂三枝です!」と紹介したら速攻「4期目や!」と会長本人から訂正が入ったり。
 「誰や、この人司会にしたん!」と呆れる鶴瓶さん。
 兄弟子の三枝師や文珍師の口上も限りなく暴露話に近いもので、緊張感や悲壮な決意といったものがどこを探しても見つからない襲名披露興行だったが、ここでよく笑ったので、すっきりと気持ちを切り替えることができた。

襲名披露興行での噺は、三若「カルシウム不足夫婦」→市馬「かぼちゃ屋」→鶴瓶「青木先生」→三枝「ぼやき酒屋」(仲入り)文珍「茶屋迎い」→文三「崇徳院」(敬称略)。
 久方ぶりに復活した「文三」の名前が平成の世でも大看板となりますように。



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