つらつらきまま


2007年07月16日(月)
3日早い最高のプレゼント〜大銀座落語祭その2


台風一過の青空にウキウキしていたところに地震発生。
 結構長く揺れるので、咄嗟にケータイを手元に引き寄せてNHKを点ける。
 向かいのマンションからは何かのブザーがしばらく鳴り響いていた。
 東京でさえこうなのだから、被災地の状況は非常に甚大であることが時間が経つにつれて分かり、心配でならない。
 コンビニ等で募金の受付が始まると思うので、積極的に協力しようと思う。

今日は大銀座落語祭の楽日。
 お目当ては17時から銀座ブロッサム(中央会館)で行われるHブロック。
 松村さん&こえぴょん(桂小枝さん)の2人会が1時間、ますおかやスピワゴなど意外な面々も見れたおもしろ寄席が1時間半、そしてトリの「笑福亭鶴瓶の会」が1時間45分(当初予定は1時間半)。

鶴瓶さんが落語を始める時、生い立ちに触れ出したので、(あぁ、今日は私落語で「Always お母ちゃんの笑顔」かぁ)と思ったら、高校生に時間が飛び、「青春グラフティ松岡」が始まった。
 去年の青山寄席で聞いて以来か。
 サゲも決まり拍手が飛び交う中、時計を見たらまだ終了予定時刻には30分ほどの余裕が。
 そして、鶴瓶さんも素早く扇子で拍手を止めさせる仕草をしたので
 (あっ、今日は二席!ということはもしかしたら…)
 とあることへの期待が急速に膨らむ。
 そして、その期待は当たった。

 今日の二席目は、この8ヶ月間、聞きたくて聞きたくてでも中々聞く機会に私は恵まれなかった

「たちぎれ線香」
 だった!

「たちぎれ線香」は、私が初めて聞いた本格的な古典落語であり、去年の青山寄席で鶴瓶さんがこれをやった時、

 (…こんないいものが見れるなんて、本当に生きてて良かった〜!生きてて良かったし、これからも生きていたい〜!)
 と、感激のあまり泣きながら帰ったほどだった(^^ゞ。
 これをきっかけに鶴瓶さんに本格的にハマったし、落語への興味・関心も一気に広がった思い出の噺である。
 
前回聞いたのが8ヶ月前ということもあり、今回改めて聞いてみて、(こんな演出だったっけ?)と自分の記憶にいまいち自信が持てなくなったところもところどころあった。
 サゲ辺りの若旦那はあんなに独白していたかしら?とか。
 しかし、初めて聞いた時にとても印象的だったので記憶に残ったものの、、他の師匠はそういうふうに言っていないセリフがあり、それが鶴瓶さんの演出なのか私の記憶違いなのかずっと確かめたかったのだが、今日自分の記憶に間違いは無いことが確認できた。

 他の師匠の方々は、若旦那に「生涯女房と名のつくものは持たん」といわせるのだが、鶴瓶さんは若旦那にそう言わせない。
 鶴瓶さんが変えたセリフでは、若旦那は生涯独身を通さないのかも、と思わせるのだが、私はこの場面は鶴瓶さんのバージョンの方が好き。

今回は泣きながら銀座の街を歩くことは無かったものの、やっぱり鶴瓶さん良いわぁとしみじみした。
 そして、どうしたら落語はもっと大勢に見てもらえるものになるのだろう、なんてことも思った。
 自分だってほんの1年前はそうだったくせに、「落語はどうせ聞いても分からない」と言われると、(難しい話ばかりじゃないのに〜)と落語協会の職員でもないくせに口惜しさというか歯がゆさを覚える。
 古いとか難しそうとかの一言で逃げないでと思う。

 それにしても、人間、何がきっかけで興味が広がるか分からない。
 “噺”なんて、去年の秋ごろまで変換すらしたことなかったわ。



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