つらつらきまま


2005年12月13日(火)
5年目


5年前の今日、母が亡くなった。
 5年という月日は長いとも思えるし、あっという間にも感じる。
 ただ、“母がいない時間”が増え続けるということには相変わらず慣れない。

 亡くなって1年ぐらいは、夢に出て来る母は病気で倒れて不自由な身体だった。
 それがいくら夢とはいえ寂しくて切なかった。

 いつの頃からか、夢に出てくる母は倒れる前の姿になった。
 夢の中の私は、今の年齢の時もあればもっと幼い頃のこともある。
 いずれの場合でも、夢の中の世界はごくごく普通の家族の日常だから、目覚めた時はやるせない。
 だが、夢の中でしかもう会えない以上、これから先何度も母の夢を見たい。

 つい先日も母の夢を見た。
 私は誰かに毎日厭味を言われ続けるが、じっと我慢している。
 我慢しながら
 (お母さんに後から抱き締めてもらうんだ。そんな年じゃないことぐらい分かってるけど、ご褒美で抱き締めてもらえるなら、いくらでも我慢できる)
 と自分に言い聞かせていた。
 でもとうとう耐え切れずにブチキレたところで目が覚めた。
 夢とはいえ、あの女かなりヘビーないびり屋やったなぁと思いつつ

 (何で、“後で”って思ったんだろう。“後で”が当たり前に来るとは限らない、って知ってるやん)
 と、自分で自分に悲しくなった。

 声を聞きたい。
 手を握りたい。
 抱き締めてもらいたい。

 単純なのにもうかなえられない夢だ。

“明日”が当たり前には続かないことを知ったから、とにかく今日だけでも生き抜く。
 それを1日、1日と続けていく。

 それが、5年前の今日決めた私の目標。

5年前、大好きなのに食べることが出来ないままいった母のために、12月13日になって初めて私はラミーチョコを買って食べる。
 来年もそれが出来るよう、生き続ける。

 



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