つらつらきまま


2005年09月04日(日)
「冷たいギフト」を今度は頂きたい

ゆらゆら帝国ライブ@日比谷野外音楽堂に行って来た。
 お昼頃に雨が一時降っていたので、折り畳み+百均で買ったレインコート(上下)をカバンに入れて。

 今日集まった人の切なる思いが通じたんだろう。
 ポタポタ程度の雨粒がライブ終盤近くに三分程落ちたが、23区が大雨洪水警報が発令される程の本降りに見舞われたのは、ライブ終演から約二時間後だった。
 ありがとう、お天道様。

野音一曲目は、“ライブで一回は聞いてみたい曲”の一つだった「太陽の白い粉」。
 イントロを聴いた途端、無意識的に顔がほころんだ。
 そして(あぁ…やっと…。しかもここで)と胸がいっぱいに。
 これから「ミーのカー」に流れ、そうなるとテンションが上がらずにはいられない。
 後は覚えている限りで順不同になるが、「夜行性の生き物3匹」「すべるバー」「男は不安定」「針」「侵入」「誰だっけ?」「つきぬけた」「傷だらけのギター」「無い!」「アイツのテーマ」「はて人間は?」「タコ物語」「貫通前」「急所」「ロボットでした」「ソフトに死んでいる」「2005年世界旅行」「通りすぎただけの夏」etc…。

AXでは前半はSweet Spot収録曲からやったので、今回は逆の構成に。
 割とスローな物憂げ調だった構成が「つきぬけた」で一転したため、汗びっしょりに。
 頃合いを見計らって水を買いに行ったが、野音ならではの自然風に今日は随分助けられた。

ゆらゆら帝国のライブは本当に独特。
 ボーカルの坂本さんがライブ中に喋るのは平均三語。
 “始まりの挨拶”、“次でラストのお知らせ”、“終わりの挨拶”で終了。
 残りのメンバー(一郎さん&千代さん)に至っては、私はまだ声を聞いたことが無い。

 そして客もどこか変わっている。
 私がゆらゆら帝国のライブでホッとすることの一つに“お約束が無い”ことがある。
 全員で同じ動きをするというやつ。
 それがあるライブでは、節操が無い私なのでもちろんやる。
 かなり率先して。
 ファンだからとかライブ暦が長いから分かるお約束もある。
 一見さんの時にそういうライブに行くと、結構気まずい。
 次のライブではちゃんと反応出来ると、何となくホッとしたりもする。
 (あっち側からこっち側にこれた)みたいな。

 けど、はしゃぐ一方で(何で私もみんなも同じ動きやってんだろう。手なんて降ろうが下げてろうが、どっちでも良いじゃん)という冷めた考えも持っていたりする。
 お約束動きに1テンポ遅れたとか右と左を間違えたことを気まずく思う自分は、身長も気持ちも本当に小さいのね、とがっかりしたりもする。

 ゆらゆら帝国のライブにはこれが無い。
 (他の人達の客なら、ここで手拍子をみんな始めちゃうんじゃないかなあ)と思うようなイントロでも、反応は各自それぞれ。
 「夜行性の生き物が3匹」も、他のライブなら一斉に客は全員阿波踊りをしている筈。
 激しい曲なのに座って聞く人もいる。
 それが浮くことも無いし、非難を浴びることも無い。
 そのかわり、自分が楽しむことだけを優先する人に対しては割とシビアな反応を向ける人が多い感じだ。

ファンを“家族”と呼ぶ韓国人俳優のファンからみたら、客のコールに応えることも客にコールすることもせず、ファンに決して近寄ってこないこのバンドはかなり奇妙な感じだろうが、私はベタベタしない独特の空気感漂うこのライブに行くと、何だかホッとする。
 節度をわきまえた上で好き勝手に楽しめるって何て良いことなんだろう。

何となく心の中でにやっとしながらグレープフルーツジュースを行きがけに飲んだのに結局「グレープフルーツちょうだい」は無かったり、「ラメのパンタロン」か「ゆらゆら帝国で考え中」のどちらかはするかなぁと思ったらどちらも無かったりと、意外なセットリストだったが、ラストが「通り過ぎただけの夏」というのがかなり意外だった。
 季節感というものを無視している千代さんがいるこのバンドが、今のこの季節にぴったりなこの曲をラストに持って来るとは...と。
 
 (あぁ、本当に夏が終わったなぁ...。今年の夏は最高に楽しかったなぁ)
 と、ちょっと感傷に浸った。
 ありがとう、ゆらゆら帝国。
 この人達の世界からは当分離れることは無いだろうなぁ。

ライブ後、時々ここでも名前が出るお姉さんと食事。
 レギュラーで録って貰ってるDVDの他にも好意で録ってくれていたものもあり、その中に「クイズ・マジジャン(小堀出演分&修士出演分)」があるのを見つけた途端、にやっとしてしまった私はどう転んでもニチョケナー。
 2丁拳銃の隠れファンかどうかを試すために踏み絵を求められたら、結構踏んづける自信はあるが、DVDや昔のビデオ(初見のもの)を見せられて無反応でいられる自信は無い。
 出るらしいという情報はどこかで耳にした覚えはあるのに案の定あっさりとコージーは見逃し、それをさほど残念には思っていない屈折ニチョケナーでごめんなさい。
 お姉さんからコージーに出てたと教えてもらった時、他の出演者としてアメザリが出てたことに食いついてしまったし。




 Written and  arranged by  seri   || スキン by エンピツスキンニュース++