2003年10月20日(月)
「伝わらないと意味無くねぇ?」
新南口の紀伊国屋に探してる本があるとのことだったので、会社帰りに買って来た。
分かりやすい。
というか、今頃になって
(私、こんな仕事しよるんや!)
ということに気づいたというのはどういうことだろう(^^;。
明日からハードウィーク。
主任に厳しく鍛えられながら1つひとつ身につけていく。
…気概だけはいつもあるんだけどなぁ。
その気概が空回りするというのはきついわぁ。
で、帰りの電車でその本を読んでたら、男の子(20歳前後)2人の会話が耳に入った。
どうやら、学祭でバンドデビューを考えているよう。
(A)「オレさぁ、やっぱ音楽の中心は“ロック”って思うんだぁ。
こぉ、ハードコアなソウルが震えるっつーか。
やっぱ、熱いハートがビリビリ、みたいな」
(B)「…オマエ、ギター弾いたこと無いんだろ?」
(A)「…ん」
(B)「楽譜も読めねぇって言ってたよなぁ。
間に合うかなぁ。オレもそんな人に教えられるようなレベルじゃねぇしなぁ」
(A)「オレさ、楽器出来ねぇから、作詞しようって思うんだぁ。
良くねぇ?
英語でさぁ、“Hey,Yo!”みたいな感じで始まって、こうノリのいいフレーズを繋ぎ合わせて…」
(B)「…それは止めよう」
(A)「なんで?」
(B)「何をいいたいのか全然分かんねぇじゃん。
ただの言葉遊びじゃつまんないよ。
ロックしたいなら、尚更さぁ、伝わらないと意味無くねぇ?」
この会話で分かるように、Aはちょっとおポンチなんだけど憎めない調子乗り。
BはそんなAに対し冷静で的確な助言を返して行く。
この2人のやりとり、嘗て教室で似たようなやりとりを誰かしてたなぁ、と思うとほのぼの。
まぁ、Aが作詞すると、“ロックバンド”が“コミックバンド”に捉えられそうなので、それはやはり止めた方が良いとおもう。
家で、微妙に懐かしい曲ばかり入ってるMDを聴いてたら、「Last Smile(byラブサイケデリコ)」が流れてきた。
この曲を聴くと、反射的にハリガネを思い出す。
この曲を使ったネタをしていたから。
どんな感じだったかは今はあんまり思い出せないけども。
多分この頃(2001年春)は、私が一番ハリガネロックに対してはしゃいでいた頃だろうと思う。
毎月福岡に来るのが当たり前だと思っていたのにそれが途切れてへこんだり。
「笑点」に初めて出るからと、友達や親戚に宣伝メールを送り、録画してんのにTVの前で正座して見ちゃったり。
福岡ー大阪と離れてるんだからクリアーに聞こえることが珍しいのに、
(ブンリクが今日も途中から聞こえん!)
とむくれたり。
そういう感情がいつのまにか消えちゃったなぁと思う。
多分、この“はしゃぎモード”の頃にM-1が行われていたら、そりゃぁもう、TOPから「M-1一色」にしてたんじゃなかろうか。
“バイク”は“センターマイク”だっただろうなぁ。
「M-1決勝進出発表まであと○日!」みたいなカウントダウンやってただろう。
リンクページにM-1オフィシャルページを速攻貼るだろう。
2001年の秋ぐらいから、ハリガネロックに対して風が吹き始めたが、どうもそれは思っていたのとは違っていた妙なもので、M-1終了後は台風並の暴風レベルに発展した。
あれは凄かった。
はしゃがなくなったのは、あまりにも風が凄くてやばいなぁ、と思ったから。
じっくり腰を据えないと、好きなものが嫌いなものに変わりそうなぐらいだった。
あちこちで似たようなフレーズと似たような反応が飛び交うようになった。
最上の褒め言葉だったものが陳腐な言い回しに変わってしまったのは虚しかった。
私は、自分の目で見たことやこころで感じたことは、常に“自分の言葉”で現したいと思っている。
同じ言葉で現されるものでも、そこに流れてる感情は使い手次第で微妙に違う。
“違う”ということを説明するには、落ち着く必要があった。
極端なまでの絶賛や賞賛が一時期多かったから、逆にナナメから見るようにしていた。
そういう面もあることを覚えておいたら、後で勝手な裏切り感や失望を感じることはいくらかは減るだろうと思った。
そういう風に、意識して一歩引くようにしたら、今のような感じになった。
ただ「好き、好き♪」とはしゃいでいた頃は何も考えなくて良いから楽しかったなぁ、と思ったり。
はしゃがないテンションだからここまで来れたのだろうとも思ったり。
まぁ、どっちもどっちか。
千原ライブの開場待ちの時。
前売り券を持ってるのに、続々開場30分前から訪れる人多数。
会場整理の人に
「当日券の方ですか?」と聞かれた人が
「イイエ。ただ早く来ただけです」と答えてたのがなんか面白かった。
“ただ早く来ただけ”のクランケの列はその後も途切れず。
“ただ早く”来るぐらい力入ってるのに、待ちの間は持ってきた文庫本とかを静かに読みふける人の多さに、会場整理の人はいまいちテンションが掴めず困惑しているようだった。