「ザ・スタンド」(I〜V)

とうとう読み終わりました,スティーブン・キングの「ザ・スタンド」。ブ厚い文庫本でなんと5巻。一生終らないかと思った。しかし,やっぱりこの頃のキングは本当に面白い。

よくある「終末SF」の設定で,米軍の生物兵器が漏れだして,あっと言う間に全米(たぶん全世界)の人類の90%以上が死滅した世界での,善と悪の戦いを描いています。キングの執拗な描写が炸裂していて,人が死ぬ死ぬ。子供も死ぬ死ぬ。大人も死ぬ死ぬ。インフルエンザに似た謎の疾病がひろまっていく過程は圧巻。とにか序盤は死にまくりです..と思ったら中盤に入っても終盤でも死んでる。もう関東地獄地震の描写しかない「バイオレンスジャック」みたい。

意地悪なキングは,善の側には妊婦とかでぶのオタクとか聾唖の青年とか知的障害を持つ少年とか奥さん死んでがっくり来てるおっさんとか,そんなのしか生き残らせません。これに比べると悪側はキャラたちまくりです。特に精神に障害を持つ放火魔「トラッシュカン」はすごい。全米を放火しながら,悪の首領の元に旅していくのだけど,これがヨイ。いやヨクナイ。

プロットを冷静に考えるとなんかデタラメの一歩前って感じなんだけど,その全てをキングの描写力が吹き飛ばす力業。あー面白かった。次はもっと気楽な本を読もう...
2004年11月20日(土)

ま2の本日記 / ま2