想
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昨日、奥歯に違和感を覚えて、今日、仕事の後に歯医者に行ったら、 親知らずがもんのすごい虫歯になっていた。 前々から歯磨きのしにくいところだと思ってはいたけれど、 まさかこんな惨状が待ち受けているとは。 で、迷うことなくスピード抜歯。 痛みもなく、あっという間のできごとだった。 まだ血の止まらない不穏な感じがするけれども、痛くはない。
親知らずを抜いたことよりも、麻酔中のできごとが印象深い。
私の行っている歯医者は微妙に個室っぽい区切りがあって、 患者用のそのブースが4つほど同じフロアにある。大した広さはない。 リクライニングの椅子に座ると、ちょうど目の前に来るところにそれぞれテレビがあって、 私の目の前ではワイドショーらしきものをやっていた。 隣のブースからは「となりのトトロ」らしい音が聞こえてくる。 おそらく、ちいさな子どもがいたのだろう。
私の方では砲丸投げの森千夏選手が亡くなったというニュースが終わると、 トカゲだかなんだかの「謎の生物」が都内で見つかったという話題に移った。 隣では、トトロを探すメイの声が聞こえる。
麻酔をされたばかりの私の耳に、 メイと若い男のリポーターの次のような掛け合いが聞こえてきた。 メイ 「トトロはー?」 リポーター 「いた!いました!!」 二人はそれぞれに、興奮を隠しきれない様子だ。 メイ 「こんなのと(小トトロのサイズ)、こんなのと、こーーーーんなのが!」 リポーター 「細い舌を出して、辺りを見回していますっ」
先の割れた下をちょろちょろ出して辺りを窺う巨大なトトロ。 脅威でしかない。そんなものが都会で見つかったら大騒ぎだ。
そういうわけで、なかなか楽しい麻酔タイムだった。
処置後、歯科医に「なかなかきれいに抜けたので持って帰りますか?」と訊かれたので、 「いただいて帰ります」と答えたところ、 助手の女の人が「こちらに入れますね、子ども用なんですけど…」と言いながら、 ネズミの形をした蛍光オレンジのケース(歯専用)を手渡してくれた。 うれしはずかし。
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