ダメ日記 40s
四十にして惑う
                                           
2002年10月22日(火) ジツオン

実音て知ってます?

はっきりいっておれはあまりよく知らない。
知らないことは言わない方がいいとは思うのだが、
強く思うところがあるので聞いてほしい。


「ドはB(ベー)」

これはおれが常日頃口にする言葉である。
しかし、どうやら間違っているらしい、いや間違ってるという人が多い。
実際は間違っていないのである。そう信じている。

おれが何故こんなに頑固に「ドはB」にこだわるのかを説明する。


小学校でトランンペットをやっていた。そして中学校でも続けることにした。
入部すると、同じトランペットに一つ年上の男の先輩がいた。
名前をツカピンという。この人は小学校の時も先輩であり、ラッパで男は
おれとツカピンの二人だけだったこともあり、いろいろとよくしてくれた。
小学校の時のなごりでおれはツカピンと呼んでいた。
(後に女の先輩たちに「ちゃんと先輩と呼べ」と注意されることになる)

入部したばかりのころツカピンは、

「中学校では実音を覚えないといけない。例えば合奏の時にしても、
先生は実音で指示するから分からないと話にならない。」

とおれに教えてくれた。
そしておれに運指とともに半音階でおしえてくれた。

「ベーハーチェーチェスデーエスエーエフフィスゲーアスアーベー」

おれはこれを完全に丸暗記した、というかさせられた。
ツカピンはおれを見るたびに「はい!」と合図をかける。
そしておれは何度も復唱するのである。「ベーハーチェーチェス・・・」

どういう意味かは全く教えてもらわなかった。ただ丸暗記である。
発音はチェー、チェスでいいのか(多分だめ)デスとかゲスとかはいいのか
など今となっては気になるのだが、当時は疑うことなく受け入れた。


おれの頭の中ではこう理解していた。
今までドレミと呼んでいたが違った読み方もあるんだな、と。

ド → ベー
レ → チェー
ミ → デー
ファ→ エス
ソ → エフ
ラ → ゲー
シ → アー
ド → ベー

日本語で犬は英語でドッグ、猫はキャット。
これと同じようなもんだと理解していた。



時は流れ、おれもいろいろと分かってきた。

・「ドはベー」は一般的ではない。むしろ「ドはツェー(チェー)」
・そもそもドレミでいうときはある一つの音を示さない


しかし、そういった無駄な情報は全て排除して、おれはこの先も信じ続ける。
やはりドはベーなんだ!!
まさにコロンブスの卵、コペルニクス的展開。(違う)

天動説を唱えたコペルニクスも初めは馬鹿にされたりしたのだ。
おれも同じ気持ちである。人に話しを合わせて、


「やっぱドはツェーだよねー」

「チューニングはラで合わせますよねー」


と言いつつもおれは心の中でつぶやく。



「それでもドはベーなんだ・・・!」



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