今日は午前2時半頃に目が醒めた。 この数年、俺はいつも何かしらの喪失感に捉われ続けているような気がする。 タイプの少年がそういう目に遭わされる現実を知った後、理想の崩壊に苦しみ続け。何とか再び同じ理想を取り戻そうと全てのものを否定した。 そんな事が数年続き、今度はそれまで持ってた価値観が薄れて、今度はそれを取り戻そうと自己嫌悪の毎日だった。 そして今は共感性や感受性、思考力を失って。 新しい「喪失」が出ると、それ以前の「喪失」に対する執着みたいなものが薄れていくのも常だった。 今は他人に対する共感性や物事に対する感受性、深く何かを考えるだけの思考力や思考的持久力みたいなものを取り戻したい。 でも、これらも全て、元々は俺自身の内にあった苦痛に依存してたと思う。 苦しいからこそ色々感じて、怨めしいから考える。 一番最後に絶望的な話を聞かされたのが、ちょうど今から1年ほど前。 1年間も身近なところで「襲われた」とか「強姦された」とか「監禁された」とか「拷問された」とか、そういう事を聞かずに済むのは新記録じゃないだろうか。 以前は1ヶ月に1度とか、長くても2.3ヶ月に1度はそうした話を聞かされてたし。 そういう出来事が無ければ、俺の内面みたいなものは元々凄い空っぽだったのかもしれないな。 今俺が凄く薄っぺらくて空っぽな人間になっているのは、むしろ悪い事が起こらなくなってきた証とか、喜ぶべき事なんだ、みたいに捉えた方がいいのかな。 現在午前6時19分。
上記の日記を書いた後、俺はまた眠ってしまっていたらしい。 最終的に、今日は午前8時過ぎに目が醒めた。 しばらく家でダラダラした後、午後12時前後に家を出た。 学校に到着し、空き教室で弁当を食べる。 その後掲示板を見に行き、今日行われる補講授業の時間割を調べた。 どうやら、今日は俺が受講している科目の補講は行われないようだ。 せっかくなので、俺は図書館に行き小説の続きを読む事にした。 図書館に向かう途中で、彫刻の先生達とバッタリ遭遇。 俺が「確か彫刻の事で集まるのって明日ですよね」と訊ねてみると、「いやいや、今日やで。もうすぐ合評会始まるから良かったら参加して」と言われた。 なので、図書館に行くのを中断し、俺は合評会が行われる建物に向かう。 卒業制作の合評会だ。 つまり、今日で事実上俺の所属しているゼミの締め括りとなる。 あのタイミングで遭遇出来たのは奇跡だな。 一足違えば、合評会の予定日を一日間違えていた俺は、図書館でただ時間を潰すだけで終わってしまったはずだった。 合評会が行われる建物に行く。 既に他の生徒達も集まっている。 先生が来て、俺に「これ終わった後、夜に皆で打ち上げ行くねんけど来る?」と訊ねてきた。 俺は「お金が無いので行けません」と言った。 事実、俺の財布には3円しか入っていなかったので、とても打ち上げには参加出来ない。大学生活最後のイベントとなるはずなのに、こんな形で不参加になってしまうとはな。でも、行ったら行ったで場違い感に襲われて、ばつの悪い思いをするだけだと思うけど。 合評会が始まった。 一人一人自分の作った作品について語り、先生達からコメントを貰う。 俺も、その場で取ってつけたようなコメントを述べ、感想を貰った。 合評会は2時間以上に及び、その間殆ど座れず立ちっぱなしだったので、とても疲れた。 合評会が終わり、皆が建物を出て行ったので、俺もその場を後にした。 少しだけ雨が降っている事に気づく。 傘を差す必要がないくらい、ほんの少しだけだけど。 俺は皆とは別のルートを辿って、一人図書館に向かう。 そこで小説の続きを読んだ。 しかし、すぐに閉館時間を告げられて、俺は学校を後にした。 既にクタクタだったので、さすがに今日は絵画の続きに取り掛かるような気力は無かった。 それから家に帰ってきた。 なんか、何の感慨もなく、あまりにあっさり、当たり前のように終わってしまった。 帰宅途中の情感も、あまりにいつもと同じまま。 現在午後17時47分。
上記の日記を書いてる途中、親父が帰宅。 平日は学校の図書館が午後18時半まで解放されているので、俺は普段、今日みたいな早い時間に家に帰る事はまずありえない。 更に、こんなに早い時間に親父が帰ってくるなんて事は、更に更にありえない事。 今日がゼミの総仕上げみたいな感じで、その事について何にも心を乱されず、日記に吐き出し切りたかったのに、今日に限ってこんな時間に親父が帰宅。 うん、お約束だね。 ハンター×ハンターという漫画で、キルアが「ターゲットを狙ってて、暗殺を決行しようとした時に限って、普段のターゲットなら滅多に行わないような行動を取ったり、滅多に起こらないような事が起こるって事がよくあるものなんだ。『滅多に無いはずの事がよく起こる』なんて言葉にしたら矛盾しているかもしれないが、そういう時に限ってそうなる事が本当に多いんだ」と言っていた。 俺の場合もまさにそれ。 こんな時に限って、普段ならありえない親父の帰宅。 こんな日に、こんな時に親父なんかに乱されたくない。 なので、俺はドア越しに親父に向かって感情を殺して「自重してや。頼むから自重してや」と懇願してみた。 しかし、それを耳にした親父は真っ先に洗面所に向かって行って「ガラガラガラ、ヴォエア〜!ガラガラガラ、ヴォエア〜!!」とこれみよがしにうがいを始める。 俺の心は嫌悪感に満たされた。 普段、親父は絶対にうがいなんて行わない。 なのに、こんな時に限って親父のうがい。 俺が「頼むから自重してや」と、あえて怒気を殺して懇願したにも関わらず。むしろ、俺が懇願したからこそ親父はこのような行動に出たのか。 奴は典型的なモラルハラスメント野郎だもんな。 俺が嫌がれば嫌がるほど、俺が嫌がる行為をエスカレートさせていき、それでいて俺が怒れば「何を怒っているのか分からない」とすっとぼけ、逆ギレかまして、果ては被害者面をして俺を責めるのが俺の親父だ。 こんなクズは死ねばいい。 しかし、今回俺はなおも声を殺して、洗面所の親父に向かって懇願してみた。 「頼むから自重してくれ。俺を憎しみに満たさせんといてくれ。ほんま頼むから」と。 しかし、うがいを終えた親父は、今度は必要最大限の力を使ってリビングのドアをバターン!!!!と閉める。 こんな日に怒りたくない。こんな日にブチギレたくない。こんな日に憎しみに包まれたくない。 まじで我慢しろ俺・・・・感情殺せ・・・・ 既に嫌悪感に捉われまくって、ほぼ台無し状態だけど・・・・ 運命+親父の悪意で、全てが台無しになってしまう・・・ まじで今日だけは耐えろ俺・・・感情を殺せ・・・・
感慨が沸かなかったなら感慨が沸かなかったで、せめてそのままの自分を保ちたかった。 なのに親父に妨害されて、そのままさえも保てずに、嫌悪感に満たされて・・・ さっきまでの合評会に参加していた実感や、その記憶めいたものも、それによって一気に薄れて。 頼むから死んでくれ。頼むから頼むから頼むから頼むから頼むから頼むから。 ずっと昔に死んでくれていたならば、ここまで苦しめられる事も無かったのにな。
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