メッセの子とのやり取りを繰り返しているうちに、俺は眠さが限界に来てしまい、メッセの子に断って先に眠らせてもらう事にした。 メッセの子は「はい」とだけ返事をした。 それから、俺は眠りに就いてしまった。 午前0時半過ぎに、メッセの子からのメール音で目が醒めた。 メッセの子から4件着ていた。 「家出てきた(;_;)」 「お母さんの部屋が赤黒く見えて走って逃げてきちゃいました」 「まじいま味方誰もいないのかよ(;_;)」 「誰も味方いない状況死ぬほど怖い。リュカさんが最後の味方だったのに(;_;)こんなの偶然とは思えない!誰一人いなくなっちゃうなんて」 俺は「起きました。○○(メッセの子の名前)何してんの^^;」と返事を返した。 メッセの子からの最終着信から4分後だ。 しかし、メッセの子から返事が来ない。 しばらくしてから「ちょっと。○○大丈夫?」とメールを送った。 しかし、返事が返ってこない。 それからしばらくして、「○○返事ください」とメールを送った。 しかし、返事が返ってこない・・・ 現在午前1時11分。 今メッセの子の身に何が起きているのだろう・・・
現在午前1時36分。 メッセの子から最後にメールを受信してから、ちょうど今で1時間だ。 未だに返事が返ってこない・・・
現在午前2時37分。 どれだけメッセの子に「返事して」とメールを送ったところで、返事が出来ない状況にあるのなら、俺にはどうする事も出来ない。 そんな、メールを送ったくらいでメッセの子の危機が打開できるだなんてありえない。 なら、今俺に出来る事と言えばなんだろう。 メッセの子の無事を祈り続ける事じゃないのか? そんな考えに行き着いてから、「○○どうか無事で居て、○○どうか無事でいて、○○どうか無事でいて、○○どうか無事でいて」 この言葉を、頭の中で何十回何百回と繰り返した。 でも、まだまだ気持ちが弱い気がする。 俺は何でこんなに祈っているのか。 メッセの子から最後の着信を受けた後、俺がメールを返すまでにかかった時間が4分間。 この4分間の間に何かが起きたということだろうか。 「誰も味方いない状況死ぬほど怖い。リュカさんが最後の味方だったのに(;_;)こんなの偶然とは思えない!誰一人いなくなっちゃうなんて」 もしかして、この言葉の後に、怖さに耐え切れずに自殺を図ってしまったのだろうか・・・ あと4分踏みとどまれば、ちゃんと安心させてあげられたのに。 そのたったの4分間の為に、メッセの子は死んだのだろうか? 俺は、メッセの子がこれだけ怯えている状況の中で、昼夜逆転を直したいとか眠りたいとか、予定や眠気を優先させた。 結局、メッセの子の苦しみなんてちゃんとリアルに感じてなかった。 俺がこんな風にメッセの子の無事を祈り続けて頭の中で連呼させてしまうのも、結局「俺は冷たい奴なんだ」と思いたくないからに他ならないんじゃないのか?と。 また、俺は子供の頃から他人の不幸やトラブルを期待してしまう面が強かったと思う。 「死んだはずの奴から電話がきた」という話を聞いて、やっぱりどこかで刺激を感じ、心の退屈が埋められたような気持ちになっていたんじゃないか・・・ こうやって、頭の中で同じ言葉を連呼させる事によって、自分の責任を軽減させてるだけじゃないのか? こうする事で、仮に自分自身に感じる責任を薄れさせたとしよう。 この、自分自身に感じる責任を薄れさせるというこの行為が意味するところ。 それは、「自分に責任さえなければ、メッセの子がどうなろうがどうでもいい」という事になるんじゃないのか? まじで俺は酷い奴なんだな・・・ いつもどこかで自覚していた。 酷いよな・・・・・・
それでも、俺は「○○どうか無事でいて」と祈り続ける。 こうやって祈っているのも、卑劣で汚い責任逃れ。 今も頭じゃこんな風に思いながらも、自己批判、自己嫌悪の念を爆発させる事が出来ないでいる。 俺はどこまでも自分に甘い。 自分に向けるべき怒りの念を、自分でそらして軽減させて。 まじでどうしようもない奴だと思う。 とか言いながら、それでも自己嫌悪の念が弱々で。 俺ってまじで何なんだろう。 結局、どうあっても自分じゃ自分を批判しきれてないから、外側から、あの子とかメッセの子とかちゃんとした人間に、きつく戒められるべきなんだと思う。 全然自己嫌悪しきれてないから。 というか、メッセの子がとんでもない事に、最悪命に関わる事になっているかもしれないというのに、俺は何でこんなにも落ち着いていられるんだろう。何でこんなに軽いんだ。 俺は、自分は間違いなくサイコパスとか名付けられている類の人種だと思っている。 まじで死ぬべきなんだと思う。 死ぬべきだと思いながら、でも死なない。 死のうともしない。 何もかもが薄っぺらい。 思いやりなんて偽者だ。 最低だな。 「最低だな」なんて言いながらも、その言葉に込める感情だって軽々しくて。 自分の事は、普段意識しないようにしているだけで、自分が一番分かってる。 俺はこういう奴なんだ。 まじ俺死ねって感じだ。
メッセの子から返事が着た。 「ごめんなさい。大丈夫です…誰もいない兄ちゃん家寝てましたから……心配かけました(;_;)」と。 まじで良かった;;;;;;;; 現在午前3時41分。
今日は午後17時半頃に、メッセの子からのメッセ音で目が醒めた。 現在午後18時20分。
メッセの子から「昨日送ったファイルはクイックタイムプレイヤーで開けます」と言われたので、パソコンに録音ファイルを送ってもらって、それをクイックタイムプレイヤーで開いてみた。 絶対にネットに晒さないで下さいと言われているので、ここに貼る訳にもいかないけど、メッセの子と生身の男が会話しているようにしか聞こえないような音声だった。 幽霊とかじゃなく、生きた人間といった感じで。 ショタコン野郎の幽霊とかまじ最低だな。 さっさと地獄落ちろよって感じだ。 メッセの子は、霊能力者の両親を持つ、隊に所属している少年に電話で相談してみたそうだ。 その子は以前、メッセの子の弟に憑いている鬼を見た事によって結核にかかり入院してしまったはずだけど、メッセの子は「擬似結核だったみたいです」みたいな事を言っていた。 つまり、本当は結核ではなくて、既に退院もしているらしい。 その少年自身も霊能力を持っているらしくて、その子に明日見てもらう事になったそうだ。 その子は、メッセの子に「絶対に家を出ないで。明日僕が見た後も、2日は家から出ないようにしてください」と言ったらしい。 何か、本格的に幽霊なのかと思わせるような台詞だな。 メッセの子との会話中、メッセの子は頭が痛いとかで自分の体温を測ってみる事になった。 すると、38.5度も熱があったそうだ。 このタイミングで熱。 よく霊に憑かれた人間は熱を出すというけど、メッセの子が熱を出したのもそういう事かもしれない。 また、俺もそいつの音声ファイルを聞いた訳だ。 なので、俺も呪われるかもしれないな。 ぶっちゃけ、そんな下衆野郎に呪われようがどうでもいい。 俺がもしそいつの呪いで死んだりしたら、俺がそいつを地獄に引きずり込んでやろうと思う。 現在午後21時05分。
あの子が最後に俺にメールをくれてから、今日でちょうど1ヶ月。 1ヶ月前から音沙汰なしだ。 もう、嫌になってしまったのかもしれないな。 あの子も、俺の思いやりの足りなさみたいなものを感じ取ったのかもしれない。 結局、俺は誰の事も本気で思いやれてないんだと思うし。 しょうがない事だと思う。
映画「46億年の恋」を観た。 つまらない映画だった。 しかし、少年時代の松本潤そっくりの男の子が上半身裸で出てくる描写があって、それが凄くエロくてセクシーだった。 何だか、体の関節が少しダルくなってきた。 これは呪いの始まりだろうか。 メッセの子は、さっきまで自宅に居たけど、「やっぱり怖くて耐えられません」と言って、例の霊能力を持つ少年の元に向かった。 その少年の家に行き、そこから二人でE君の家に向かって、そこで過ごす予定になったらしい。 明日、どうなったか報告を受ける事にする。 現在午後23時41分。
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