リュカの日記

2007年01月16日(火)

ダイエーと公園に行ってきたけど、メッセの子達は居なかった。
公園には、メッセの子どころか人っ子一人居なかった。
C君やD君が「命の石」と呼んでいた石碑の前で、俺はしばらく佇んでいた。
その石碑の前で午前0時を迎え、今日になった。
C君が亡くなったのが「昨日」になった。
現在午前0時30分。

昨日の午後17時16分を最後に、メッセの子からの連絡が途絶えた。
メッセの子も、C君が俺の事を異常に毛嫌いしている事を知っている。
C君も、自分の事をメッセの子が俺なんかに喋ったりする事を良くは思っていないだろう。メッセの子も、そこのところはよく分かっているはずだ。
だから、C君の葬儀が済むまでメッセの子も俺には連絡をよこさない方がいいと思う。C君の最後が汚れてしまう。
C君はメッセの子の元恋人だけど、その後はメッセの子の弟君と付き合うようになった。
C君と弟君は同じ歳で、高校2年の年齢だ。
二人とも、高校を中退してニートみたいな生活を送っていた。
弟君はC君の事を死ぬほど愛していたけれど、C君は自分と同じような少年(小柄で幼くて可愛い男の子)に目がなくて、弟君と付き合っているにも関わらず、次々とそんな男の子達と関係を持ち、また合意で関係を持てなければレイプに走り。
それでも、弟君はC君の事を何より大事に想い続けた。
しかし、C君が一番執着していたのはA君だ。
A君は中学2年の年齢で、C君の目から見ても死ぬほど可愛い少年らしい。
そんな感じで、C君と弟君は形だけの恋人関係みたいになってしまっていたと思う。
メッセの子達と音信を断ったC君の書き込みを、俺が見つけてメッセの子に伝えた後、弟君もC君に向けて直接メッセージを書いた。
「君の事を一生愛す。あまり思い詰めないで、いつでも連絡下さい。どんなに遅くなっても手遅れだなんて思わないで」みたいな内容だ。
弟君の書き込みに対する返信は無かった。
C君も、弟君の書き込みを目にはしたと思うけど。
そんな風に言ってくれた弟君。
なのに、結局応える事なく死んでしまって・・・
多分、今のC君は弟君に対して申し訳ない気持ちでいっぱいなんじゃないかな、と思う。
以前C君が自殺を図った時、弟君は後追いを試み自分の手首を千切れそうなくらいに深く切った。
また、D君もC君の事を恋愛感情で好いていて、C君との思い出を求めて一人で神戸まで家出してきた。
この二人は思い詰めるとどんな行動に走るか分からない。
C君がこんな事になってしまって、その二人まで大変な事になってしまっているんじゃないか、と少し心配になる。
本当は、少しどころじゃ全然足りないんだろうけどな・・
現在午前5時01分。

俺は未だにちゃんと実感できていないのかもしれない。
本当に信じられない。
C君が死んだ。
なんか、するっと流してしまっているところがあると思う。
ちゃんと認識していないんだ。

昨日からの徹夜明け。
映画「クッキー・フォーチュン」を観終えた。
結局、メッセの子から連絡は来なかった。
現在午前7時50分。
今日はそのまま学校に行く事にする。

リビングに行き、母親に「普通お通夜っていつするもんなん?」と質問した。
母親は「普通は、亡くなった翌日」と言った。
俺は「じゃあ、昨日死んだら今日がお通夜か」と言った。
母親は「誰か死んだん?」と言った。
俺は「ネットの知り合い」と言った。
母親は「えー!」と言った。
俺は「知り合いの知り合いって感じやけど」と言った。
母親は「若い人なん?」と言った。
俺は「17歳。高校2年の年齢」と言った。
続けて俺は「埋葬はいつするもんなん?」と質問した。
母親は「お墓が無い場合もあるから、特に決まってない」と言った。
俺は「ああ、じゃあ葬式は?」と言った。
母親は「お通夜の次の日」と言った。
俺は「火葬するのは?葬式の日?」と言った。
母親は「そう」と言った。
今日がC君のお通夜で、明日が葬式と火葬だという事だ。
俺の母親は、俺に対して全く理解を持とうとしない。
『ネットで』なんて言おうものなら鼻で笑って馬鹿にされるのが常なのだ。
だから、こちらも軽い口調で、いかにも軽薄で無神経な感じで母親に葬儀について色々な事を質問した。
意図的にそうしたとは言え、自分の軽い口調に虫唾が走った・・・
自分で言ってて嫌になる。胸が痛くなってきた。
今日C君のお通夜が行われ、明日が葬式・・・・
そして、C君の体は燃やされて灰にされてしまうんだ・・・・・・・
可愛いC君。凄く魅力的な子だろうに。
当たり前の事とはいえ、そんな子の尊い体が燃やされる。
しかも、もうC君は既に死んでしまってる。
だから葬式だって行われ・・・
葬式で死ぬんじゃない。葬式の前には既に死んでしまっているのだ。
葬式は、人間を待ち構えている『死』そのものでは決してなくて、人間が『死』を通過した後にくぐる門。
今のC君は、既にそれを通過できてしまうような状態になっているんだ・・・
そんな事を考えた。
昨日まで、俺と同じように生きていたのに。
まだ子供だったのに。
可哀相すぎる・・・・・・・・・・
ありえない;;

今日の授業は1時限目から4時限目まで。
俺は2時限目の途中から出席した。
2時限目の授業は「西洋美術史」
必修科目だ。
俺は、冬休み前にこの授業で出された課題レポートを提出する事が出来なかった。
仕上げた事は仕上げたけれど、提出日に授業が休講になってしまい、その次の授業からは俺の方が欠席し続けてしまって。
そして今日、この授業に出席した折、先生に「この前の課題って、今から提出しても無駄ですかね」と質問した。
先生は「提出が遅れた理由を書いて出せば受け取ります」と言った。
なので、俺はレポート用紙に提出が遅れた理由を記述して先生に渡した。
課題をちゃんと提出する事が出来て良かったと思う。
昼休みになった。
弁当を食べ終えた俺は、机に突っ伏す。
いつの間にか眠ってしまっていたようで、30分ほど時間が飛んでた。
昨日の午後16時過ぎからずっと眠ってないもんな。
眠さもかなり限界だった。
昼休みが終わり、3時限目になる。
3.4時限目は彫刻だ。
しかし、俺は授業をサボって空き教室に向かい、そこで眠る事にした。
彫刻は、先週もサボってしまっていたけど。
今年になってから特に、彫刻に関してあまりやる気が沸いてこなくなってしまった。
午後16時50分頃に空き教室に教員が入ってきてマイクテストみたいな事を始めた。教員が入ってきた事により、それまで眠っていた俺は目が醒めたのだ。
午後16時50分頃。
既に、彫刻の授業が終わり30分ほど経ってる時間だ。
その教員が、俺に話しかけてきた。
「君が起きてた時、ここって授業行われてた?」と。
俺は「いえ、最初っから空き教室でしたよ」と言った。
教員は「そうかぁ」と言った。
俺は空き教室を出て、図書館に向かう。
海外ドラマ「プリズン・ブレイク」の続きを観ようと思ったからだ。
しかし、「プリズン・ブレイク」の続きが既に貸し出し中になっていたので、俺は諦める事にした。
そこで、海外ドラマ「24」の5シーズンが仕入れられている事に気づいた。
冬休み前は、4シーズンまでしかなかったから、学校側が冬休み中に仕入れたという事なのだろう。
「24」の5シーズンも、既に1話目分から貸し出し中になっていた。
俺は図書館でDVDを観る事を諦め、学校を後にした。
学校帰りに地元のスターバックスに寄り、そこで「ニーチェ」に関する解説本を読みながら2.3時間過ごした。
今日はC君のお通夜が行われているはずだ。
なのに、俺は買ったばかりのウォークマンで今日1日ずっと音楽ばかり聴いてしまっていた。
あまりに不謹慎かもしれない・・・
現在午後21時39分。

結局、今日1日メッセの子から連絡が来る事は無かった。
俺は未だに信じられない。
メッセの子やC君は、死に瀕したり植物状態になったりしても、今まで何度となく復活している。
医者からは「絶望的だ」「助かる事はありえない」と診断されても、その度に復活してきた。
だから、C君が亡くなってしまったと言っても、俺は未だに「今からでも巻き返しが効くんじゃないか?」と感じてしまう。
つまり、C君が生き返る可能性。
今まで散々奇跡を聞かされ続けてきたのだ。
だから、死人が蘇ったりしたところで、俺は全く驚かない。
また、タイプの少年がそういう目に遭わされるという事以上に「ありえない事」は俺の中には存在していなかった。
比喩表現でもなんでもなく、字面通りに。
なのに、タイプの少年さえもがそういう目に遭わされるという現実を突きつけられて。
もはや、俺の中に「ありえない事」は存在しない。
今にもメッセの子から「Cが生き返りました!」なんて報告が着そうな気がする。
現在午後22時34分。
今日はそろそろ横になろうと思う。


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