リュカの日記

2006年04月20日(木)

メッセの子は、まだ死んでいないという事が分かった。
ただ、今も意識不明の重態らしい。
命が助かる保障が無い。
自分は何をすべきなのか分からない・・・
俺はどうしたらいい。

知り合いにメッセの子の事で、少しだけ相談した。
それに対する、自分の意識の状態について。
その知り合いは、「精神的負荷を避けようとするのは自然な事です」と言ってくれた。
俺は自分で考えたり感じたりショックを受けたりする事を、どうしても面倒臭がって避けてしまっているのだという自覚がある。
その自覚がある上で、自分の中で「本能的な事なんだ」としてしまうのは(実際、してしまいそうになる)、自分の軽薄さ、非人情性の正当化を計った都合の良い言い訳でしかないのだ。
そうやって、自分自身の状態を相談相手に「しょうがない事」と認定してもらい、ある種の慰めにしてしまおう、という意識が確かにあった。
「そうである」のに、「そうではない」としてもらい、安心しようという意識が。欺瞞だな。
俺は自分自身の程度というものを、嫌というほど自覚している。
実際は、「しょうがなくないのだ」という事も。
こんな時になってまで、ショタコン野郎特有の、卑怯でいやらしい言い訳根性が染み付いている。メッセの子に信用してもらうに値しない。

こんなにもいい加減な意識しか持てないまま、メッセの子が死んでしまったらどうしよう・・
自分で自分を否定してみせたところで、結局はそれ自体がただの罪悪感逃れでしかないのだ、という自覚が常にある。歪んでるんだな。
自分を否定する人間には正当性が保障される、みたいな意識が、メディアの受け売りで根付いているのか。自分で自分を認められなくなる事が恐ろしいのだ。
真っ当な感情を持った人間なら、そんな事をあれこれと考える事もなく、ただ一心にその子の心配だけをするんだろうな。
自分がちゃんとその子を心配できている自信が無い・・

「するべき事」をしていないから後ろめたいのか。
自分はどうすればいいのだろう。
その子の本名も、大体の所在地も知っている。
ここまでの事になっているなら、現実にその子の元に出向いて状況を確認しに行くのが普通だろう。
でも、俺はそれをしない。
自分の保身を優先しているだけの冷たい奴だ。

こういう風になるから、または、なる事を知っているから、俺はその子が酷い目に遭う事そのものに対して、いつも後ろめたくてたまらなくなるのだ。

今日は午前6時頃に目が覚めた。
2時間ほどしか眠れなかった、と思っていると、何時の間にか午前8時を過ぎていた。時間をワープしたみたいな感じだ。
知らない間に眠ってしまっていたらしい。
そして、さらに午前10時過ぎに目が覚めた。
今日の授業は1時限目からだけど、相変わらず1時限目は出席出来ない。
寝心地が良かったのか、もう少し眠りたい気分だ。
何とか身を起こして、椅子に座った瞬間に、「とんでもない事になってるかもしれないんだ・・」と、いきなり強いストレスが沸いてきた。

途中からでも2時限目には出席するつもりでいたのに、グズグズしているうちに、結局今から行っても2時限目には間に合わなくなってしまった・・
単位を取る為、今年は学校も頑張るつもりでいたのに、本当に意思が弱いというか、新学期が始まってからのこの約2週間、最初の1.2時限分の授業に出席していないのが毎日だ。

どうせ今は昼休み中だから、と、またしばらくグズグズしていた。
自分のサイトを確認して回ったり、気になる映画について調べたり。
考えたところでどうにもならないんだよな、と、またモヤモヤが蘇る。
俺が考えたところで、その子の容態が回復するという訳ではない。
本当に、その子は助かった方が良いのだろうか、とも思い直した。
その子に助かって欲しいというのも、結局は自分の日常や心境に波風を立てたくないという、独りよがりな安心感を求めての事じゃないのだろうか、と。その子は死にたがっていた。
日常的に欝が継続してしまうという苦しみは、俺も分からない訳じゃない。
助かったところで、また心が苦しい思いをするだけじゃないのか。
また、同じように自殺を計って、痛い思いを繰り返すだけじゃないのか。
もしもその子が助かって、その後の人生で欝が麻痺してくるような事があったとしても、その子はそれに納得する事が出来るのか。
自分自身が廃人みたいに感じられて、一生モヤモヤもどかしく過ごしてしまうだけなんじゃないのか。そんな事を考えていた。
その子が全てを「よし」と出来るほどの希望を見出し得られない限りは、命だけ助かったところで、結局何の解決にもならない気がする。
とりあえず、そろそろ学校へ行ってくる。
現在午後12時27分。

学校に着くなり、すぐにフランス語の教科書を買い直した。
そして、空き教室で弁当を食べた。
その後、3時限目の「情報科学」に、途中から出席した。
ちゃんと受けた。
4時限目の「文献探索論」もちゃんと受けた。
授業が終わり、大学の図書館に行った。
水曜の「美学美術史演習」で、「文献紹介」というものをしなければならないからだ。
文献の探し方なんて、俺もよく分かっていない。
適当に、美学全集みたいな本を何冊か、1時間ほどパラ読みしていた。
そして、学校を出て家に向かった。
電車に乗って、地元の駅にたどり着いた。
今日の文献探索論の授業で、「地元の図書館について調べてくるよう」と課題が出たので、駅からすぐそこにある図書館に向かった。
まず、図書館の名前をノートに書き写した。
それから、図書館の中に入ろうとした。
すると、「今日は、今からもう閉館ですから」と、中に入れてはもらえなかった。また、早めに学校が終わった時に来る事にしよう。
それから、近くの古本屋に行き、漫画を立ち読みしていた。
しばらく立ち読みしていると、自分の携帯にメールが入った。
メッセの子の携帯からだ。
「何か聞いてたんですか?」とメールが入っていたので、「○○大丈夫?自殺未遂して、意識が戻らないって聞いたんだけど」と返答した。
すると、「僕は○○じゃないです。その弟です」
メッセの子の弟だ。
今もメッセの子の意識が戻らない、という事。
このまま戻らないかもしれない、という事。
医者からは「期待しない方がいい」と言われているから、期待しない方が良いですよ、という事を告げられた。
今も、その子の弟とメールで会話している。

メッセの子が隠しておきたいと思っている事は伏せて、その子が自殺を計る数日前までの様子などを説明した。
「すみませんけどいろんな事を知ってそうですね」
「姉ちゃんは生きてるかどうかも分からないし、兄貴は精神病で自殺の危険があったから止めたかったけど、今回もまた駄目だったし。お母さんは兄貴と同じ病院に入院しちゃうし。もううち家庭崩壊ですよ。どうしたらいいですか?」
「何歳ですか?」「23」「僕は16です。こーんな事になっちゃって、僕は一体どうしたらいいんでしょう?」とか、凄く言われた・・
自分が、本当に生きる事が害にしかならないゴミに感じる。
後ろめたくてしょうがない・・・・

俺はどうすればいい・・・

メッセの子の弟と、それから数時間話をした。
その子がメッセの子に負い目を持っているみたいだから、メッセの子が弟を凄く可愛がっている事とか。
メッセの子が欝にしている内容の半分くらいも、その子に話した。
その子は、「あんなに優しい兄貴は居ない」と言っている。
「もしも兄貴が意識を取り戻す事があったら、ここぞとばかりに恩返しに努めます」とも。
俺は、「せめて、メッセの子の話をよく聞いてあげて下さい。現実に苦しみを吐き出せる相手が居るってだけでも、凄く気持ちが楽になるはずだから」とアドバイスをした。
メッセの子の容態は落ち着いてきているそうだが、このまま植物人間になってしまう可能性があるとか。
父親は薄情者で、メッセの子がこんな状態になっているのに、家に戻ってきてくれない、とも。

心が掻き毟られてたまらなくなる・・・
締め付けられる・・
息苦しい・・・


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