囁き
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| 2002年10月11日(金) |
罪と償い 〜『樹海』〜 |
昔ね。人をひどく傷つけたことがある。友達だった。会話するのさえ、拒否された。謝ることも、出来なかった。
浮かれてて、傷に触っちまった。最初はね、その集団の中からいなくなろうと思った。けど、そこで、自分は変わったっていう事を見せなきゃいけない。そう思ったんだ。僕は、その集団に、いつもと変わらないようにいた。怖かった。はっきり言って。逃げ出したかった。
半年位してから、その人から電話があった。痛みが癒えかけた頃だった。怖さが、戻る。 『もう、怒ってないよ?君、変わったからね・・・ありがと』
涙が出た。嬉しくて・・・謝る僕に、言ってくれた。会話さえ、拒否していた人が。
『友達だから』
あのときの気持ちは、忘れない。積み上げた信頼は、一度崩れれば、更に時間がかかる。それを教えてくれた。なんでこんな話かっていうと・・・連れの一人に、ね。ちょいといらついたときに、このときの話を思い出した。だから、怒るのはやめようって。ちょいとわからせるために、少し演技したけどね。
明日、彼女が病院に行く。子供がいるかどうか。幾ら、かかるのか・・・
事故かなんかで・・・そう、彼女が言ってた。僕は、しっかりと背負いたいと思う。おろすなら・・・殺すなら。現世の辛さを知らずに死んでいけるんだ。僕らみたいに、死を望んだ生活を送らないですむんだよ。僕らの初めての子供は。そう、言った。今の僕らじゃ、悲しませてしまうだけ。嘘じゃない。
ただ、どのような言葉を使っても、僕は背負っていく。それが、その子への罪と、償い。
一人で立てる強さが欲しかった。けれど、強いかどうかなんてわからないけど、僕は一人で立っている。一人で立てる強さ・・・その中に、弱さも含まれているんだろう。元カノと、一人で立って、歩きたいって話をしたことがある。それは、その時お互いの気持ちだった。甘えなんだろうな。その気持ちが。人は、誰でも一人で立っている。たとえ、誰といようとも。手を取っていようとも。そんな歳だ。 誰かに頼るから、一人で立てていないわけじゃない。こだわるのは、強さでも弱さでもない、渇望。誰もが、同じ世界にはいない。だからこそ、一人じゃない。俺は、一人で立っている。それは、間違いないんだ。彼女と、二人で立っている。それは、間違いないんだ。
こだわるから・・・いけなかった。格好いい生き方を望む。格好いい人間を望む。望んでも、きっと無駄なんだ。それは、得るものだから。個人個人が。何を望む前に、自分を生きる。きっと、そうすれば得ることが出来る。望んでいた真実を。だから俺は、背負おうと思ってる。罪と償い。
『樹海』
半分は、間違っちゃいないんだと思う。誰もが一人だから、誰かを好きになれるんだ。きっと。
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