2000年01月01日(土)
 

浮気をしました。
どうでもいいひとと。


彼は、優しく許したりなどしなかった。
わたしは初めて彼が怒るところを見た。
罵ることも、手をあげることもなかったけれど。
その目は底冷えのするような冷たさで、そしてとても悲しそうで
肩を震わせて、彼は静かに泣いた。

「いつかこういうことがあるんじゃないかと思っていた」

震える声で。

「それでもきみを愛せるんじゃないかって思ってた」

泣くように。



わたしは、叱られも許しもされなかった。
ただとほうもなく人を傷つけて。
ようやく

このひとにただ愛されたかっただけだってことに気づいた。
それはもう、ずいぶんと遅かったけれど。





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