ひとりびっち・R...びーち

 

 

くびったけ - 2001年02月25日(日)

 しかるに、凄い回復力である。

 一昨日、学校を休むほど腹を下し、発熱して寝込んだ娘だが、今は「万能川柳」を読みながら、何食わぬ顔でにちゃにちゃとコーラグミを食べている。

 そんな病み上がり(?)の娘とふたり、青空のベリー爽やかな日曜の朝、かねてから娘が行きたがっていた「朝マック」にお出かけしたのだった。
 お目当てはシロップをどっぷりかけて食べるホットケーキセットだ。

 マクドナルドの窓から青空に浮かぶ雲を眺め、ゴミ置き場を狙う数羽のカラスの動向を観察しつつ、「予想通りだけど、あんまりおいしいモノじゃないね〜」という至極ごもっともな感想をもらす娘を前に、朝マックも終盤に差し掛かった頃である。

 豆カスに気をつけて、まずいコーヒーの最後の一口を飲もうとしたとき、紙コップの底に一群れの文字が沈んでいるのを発見した。

    {読んでトクする言葉の素}

       「くびったけ」

    漢字にすると“首丈”。つまり
     首の辺まで深みにはまって
      溺れるさま。とりわけ
     色香に迷う状態に使われる。

 ・・・・・・・・・

 まったくもって、身体中の穴という穴から、生きる元気がぬけていくような、有難い{言葉の素}である。

 娘に見せると、店内の人々が一斉に振り向くほどの大爆笑。

 「やんのかこら!」

 マクドナルドの紙コップの底を力なく威嚇する私であった。


<補足>
 実は、「くびったけ」の不意打ちは初めてじゃない。
 岩波文庫に挟まっているしおりに印刷されている{言葉の道草}。
 西田幾多郎随筆集の中から現われたのが、やはり「くびったけ」だったのだ。
 天下の岩波の青帯も、世界一のファーストフードも、何とかして私に「くびったけ」の意味をわからせたいらしいが、余計なお世話である。
 
 
 


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