「あるチームのセレクション、合格したよ」と言った彼の表情は、 喜びというよりも安堵に満ちていた。 私の気持ちも同じだった。 「とにかく安心したよ。 よかったね。」と伝えると、 「これからもサッカーがやれるから・・・本当によかった」と彼は笑顔で答えた。 本当に、本当によかったよ。
まだもう一つセレクションを受けたチームからの結果待ちとのこと。 設備が整い、経営も安定している環境。 層は薄いけど、だからこそ確実に試合に出れそうな環境。 どちらでもいい。 君がサッカーを続ける限り、私は応援するから。
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「俺もうサッカーやめようかな・・・」と呟いたあと、 大きな声で、「どっか拾ってくれるとこねーかなー」と明るく言い放った。 いつでも、どんな時でも明るく振舞う人だからこそ、辛かった。 「私はまだあなたのサッカーを見たいよ」と言うのが精一杯だった。 まわりに心配されたり同情されたりするのを一番嫌うのはわかってるけど、 あなたの言葉に明るく答えることはできなかった。 ごめん。
どうか移籍先が見つかりますように・・・。
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金銭面とか、起用法とか。 そんなことに拘ってる場合じゃない選手達も、たくさんいる。 彼らが求めるのは、ただサッカーを続けられる環境だけ。
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