ぼんのう
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2006年10月22日(日) 前世療法

数週間前、テレビで前世療法について放送していた。
我輩は、この療法を以前聞いたことがあるが、否定も肯定もしない立場にいた。信仰上、霊の存在も来世も信じている。が、一方で、前世が存在しているのか、そこまではわからない。
双子のコメディアンの前世がわかり、違う世界の違う時代にて生きていたが、母親が同じだったので、現世、双子としてめぐり合った…この二人の母親こそ、ソウルメイトであった…多くの前世でめぐり合い、現世で結ばれる話とか出てきた。

ほー。ちょっと興味を持った。インターネットで検索してみたら、日本でもそれをやっているカウンセラーもいる(ただし、医者ではない!)。

ここで、いつもの悪い癖が出てきたりした。さっそく予約し、今日行ってみた。んで、結論から言おう。
















前世療法、完全に嘘!(断言)


白衣姿で現れた女性カウンセラー(ちなみに精神科医ではなく、聞いたこともないアメリカの大学で、この療法を学んだとホームページに書いてあったが、その手の怪しい“大学”って、ゴロゴロ転がっているもんなあ)で、エラク高圧的な雰囲気(前世療法だけではなく、色香水?と思えるものでの“治療”もやっているそうだが…まあ、要するに擬似科学系なんだな)で、前世を知るカウンセリングを開始。テレビでは、いきなり催眠術から前世を呼び起こす作業しか見せていなかったけど、実は延々2時間、自分の生い立ちやら、悩みやらを聞き出される面接を受ける。

ここが、この療法の正体。

要するに、この面接を通して

 ・カウンセラーがそれっぽい前世を作る指針を引き出し
 ・被験者自らが、自分を伝えることで、前世っぽい舞台を作る

きっかけになる。

何を言ったかは、プライバシーに関わるので割愛するが、このプライバシーを述べることで、カウンセラーに対して、奇妙な信頼関係を無理やり構築される仕掛けがある。


さて、催眠術を受ける。この段取りは、一般的な催眠術と大差はないが、

 ・現世において、気になる人を登場させる
 ・道を作り、その先に扉を作る
 ・その気になる人を、先に扉まで行かせる
 ・最後に自分が、その扉へと出る


心理学を少しかじった人なら、もうわかると思う。


これ、古臭い内観法だぁ!


そして、いわゆる“前世”と呼ばれる世界がその扉の向こうにある。扉の向こうに行くと、違う“世界”があり、人々もいる。これらの中で、現世に影響を与える“事件”があり、“人間関係”がある。

ちなみに、その“前世”では、我輩は・・・

 ・オランダ人で、オランダの地方都市で居酒屋を経営。
 ・小学校卒業後に父の手伝いをし、死去後に居酒屋の店主になる。
 ・地元の常連に人気がある店で、そこそこ繁盛し、生活に不満はない。
 ・独身
 ・隣は宝石商で、そこの主人とは親友。
 ・名士というほどではないが、顔役的な存在で、友人も多い。
 ・郊外に母、あと結婚した妹がいる。夫は建築士。一男一女に恵まれる。
 ・時代は1940年前(←ここから、何か“臭う”でしょw)
 ・ドイツが街を占領。でも抵抗も何もしないで、店の経営を続ける。
 ・ある日、突然広場に連れ出され、銃殺刑を受け死亡した。理由は
  親友の宝石商とその仲間がレジスタンスで、そのとばっちりで。




どこのスピルバーグ映画ですか?w



で、そのカウンセラーから、登場した人物とかはどーのこーのとか、もっともらしい説明をするけど、これも心理学を知っている人ならわかるが


ロールプレイング療法だよな、これ。


内観法で自分の心の中にある感情を、何らかの形で人格化し、劇場みたいな形でロールプレイするという療法であり、


前世でも何でもない!


実はその“療法”前と最中に、カウンセラーに対して一つ、質問してみた。

問 過去に見た映画の影響は受けませんか?

答 気にする必要はありません、場合によっては
「ドラクエ」のような世界が見れる場合もあります。





( ゚д゚)ポカーン・・・




あと、内観法モドキだということで、登場してきた“人物”に、わざと怒鳴ることをしてみた(実はこれ、自分自身に対して怒鳴ることになり、療法が失敗する原因になるとか)。


案の定、カウンセラーが慌てだしたw



前世が存在するか否かは、これは個人個人の信仰や育った文化によるもので、否定も肯定もしない。が、しかし、いわゆる“前世療法”というのは、“前世”を見るためものではなく、自分の心の奥底にある感情を、キャラクターとして形作り、劇場を作り、表現するというものであり、精神分析としてはある程度有効な手法かもしれないが、

ソウルメイトとか、そういうことは一切関係しない、趣味の悪い、精神医学のパロディでしかない!




映画「キャシャーン」を観た直後と同じ気持ちだけ、はっきり湧いた:


「我輩の時間を返せ」


ANDY 山本 |HomePage

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