ぼんのう
DiaryINDEXpastwill


2002年10月23日(水) 拉致家族のことを思う

拉致家族の問題が連日テレビを賑わしている。
以前から我輩は北朝鮮に対して珍しく超タカ派的な立場を取ってきているが、今回の拉致家族の帰国問題に関しては少々考えさせられることがある。

拉致されて何十年と北朝鮮での生活を強制させられた彼らは、今日本に帰国して果たして幸せになれるのであろうか・・・という事。

ある旧ソ連ジョークを思い出した。
東ドイツから亡命してきた男が、西ドイツの兄の所で暫く住むことになった。
弟「兄さん、ありがとう。ところで新しい服を買いたいんだけど、配給チケットはどこに行けば入手できるんだい?」
兄「なんだそれ?お金があれば、近くのデパートとかで買うことができるぞ?」
弟「そうなんだ。あと、いつまでの兄さんのお世話になっているワケにも行かないから、アパートに入る為の手続き書類を作成するのに、党員を紹介してくれないかな?」
兄「ばかだなあ。気に入ったアパートとかあれば、大家に話をして、お金を毎月払えばいいんだよ」
弟「大家は党幹部なのかい?」
兄「そんなはずないって。まあそれはさておき、外のレストランで食べようではないか」
弟「でも兄さん、ドルは今持ち合わせていないよ。食券もないし」
兄「ばかかお前?マルクで十分だし、食券もいらないんだよ!」
弟はしばし沈黙した後、兄に言った。
弟「兄さん、よく混乱しないね」


非常に悲しいが、人間は環境の生物である。
遺伝子的に日本人であっても、アメリカに長く住めばアメリカ人になるし、中国に住めば遅かれ早かれ中国人になる。それは言語や文化に限らず、職業的な考えに至るまで、その地域と完全に同化してしまうということである。

家族の方としては、拉致された被害者は日本に戻すことを希望しているし、そうすべきである。しかし拉致被害者が日本に帰って、果たして幸福になれるのであろうか・・・。

アメリカに生まれたが、日本に来て長らく苛められてきた我輩は、彼らの戸惑い、痛いくらい判る。


ANDY 山本 |HomePage

My追加