| 2008年05月23日(金) |
もどるときのめじるし |
ふとしたきっかけで突然昔のことを思い出し、恥ずかしくて死にそうになったりとか、思ってもみなかったようなことを言われて、その瞬間からいきなり世界が前より少し広がったりとか、あの時のこと覚えてる?と言って一緒に思い出す面白い話とか、きっとそうだと信じてたことが、まったく自分の思い込みだったと気づいて笑っちゃったりとか、誰にも言いたくないんだけど、その人には聞いてほしい話とか、何でも知ってるような気になっていた年頃もあったのに、歳をとればとるほど知らないことが本当にいっぱいあることを思い知らされて愕然としたりとか、好きなものが少しづつ変わってきたことが少し寂しかったりとか。
宇宙が信じられないくらい広くてしかも膨張しているというのに、その中の1つの太陽系の中の星に一瞬生きて死ぬ人の、脳内の宇宙はなんと小さなディティールでいっぱいなことか。小さいことでクヨクヨしてもいられませんが、同じように小さな出来事やその記憶がそれぞれの人の人生を大きく支えてもいるのだった。

自分のことばかりじゃなく、ほかの人の人生のディティールについての話を聞いてみたい、という人はポール・オースターの編集した「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」という本を読んでみましょう。
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