またもや粉の分量だけ参考にしてあとは適当にクッキーを焼く。チョコチップクッキーにしようかと思ってチョコないかなーと思ったら、バッグにUから貰ったチェコ航空の機内食だったというチョコバーがあったのでそれを入れた。水を使っているところを適当に牛乳入れたりしたので、焼き上がってみたらスコーンとクッキーの中間のようなものが出来て、それもまた焼き立てマジックで、焼き立てだからなんでも美味しいのだった。

「私の名前はキム・サムスン」が大変なことに。若社長と元彼女の、3年もの間の誤解がとけて2人がうまくいってしまった。完全に苦し紛れな状況の中を必死に好きだと告白したのに、全く上の空で聞き流されて無視されるという、拷問のようなシーンが。「住む世界の違う2人が恋に落ちる」とさんざん宣伝しているのだから、若社長は最後には年増の雌ギツネの方を選ぶのだろうけど、今の時点ではもう試合終了といった感じになっている。これをいったいどうひっくり返すというのか。普通の人付き合いや友情なら全く問題がなくても、恋愛関係にはブランクは大きな問題なのかも。場合によるけども。3年前までのことは何でも知ってる人と、3年前からのことは何でも知ってる人、この差は大きい。でもまあ理屈じゃない部分が大きいので、告白したのに完無視されて、山に向かって泣いてしまうような出来事も、人生にはしばしば起こるのであった。プルーストの「失われた時を求めて」のマドレーヌの話をサムスンが一生懸命するシーンが印象に残った。私にもチョコチップクッキーを食べて思い出すようないい思い出の1つでもあればよかったのに。
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