山下は手帳を手に取り表裏と観察してみた。 ほとんど擦れてなくほとんど新品同様に見えた。 でもこれは2年は使っている物なのに状態がいいなと山下は思った。
山下はボタンを外し中を開いてぺらぺらをめくってみた。 中身はリフィルのウィークリー型で、スケジュールを書く欄の下に、TO‐DOリストがあった。 本日の予定が書かれているところまで開いてみた。 今日の日曜日には佐恵子と書かれてあった。
今週の月曜から土曜までの予定を見てみた。 土曜のところは特に何も書かれていなかった。 直前に誘ったんだからそりゃそうかと思った。
月、水、木曜日は会議が多いと言っていたが、朝から夕方まで隙間なく予定が埋まっていた。 水曜日の夜には線が引かれていたがそれが何かは書かれていなかった。 水曜日にだれかと行くと言ってたような気もするし、行ったと言ってたような気もして、 思い出そうと思ったのだが、一向に思い出せなかったかった。
諦めて次の週をみた、相変わらず月、水、木曜日は会議が多かった。 その次の週もそうだった。
1か月ほど進むと何も予定が書かれていないウィークリーページに変わった。 更に進んでもどんな予定も書かれていなかった。 2010年3月28日週でウィークリーページが終わり、次からメモのページに変わっていた。
メモのページは罫線を気にせず自由な文字が書かれてあった。 数ページしか使われていなかったが、全てが仕事のメモのようだった。
「あいつは水曜日に何をしていたんだろう?」 山下はその疑問を残したまま手帳を閉じ、カバンの中の元居た場所に戻した。 そして立ち上がって数歩下がって手帳を客観的に眺めてみた。 手帳は何時間もそこに居たようにしっくり馴染んでいるように見え山下はよしと頷いた。
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