昨日・今日・明日
壱カ月|昨日|明日
朝から耳鼻科へ行く。実は2、3日前から右耳が痛かったのだ、口に出すのもこわくて、誰にも言ってなかったけど。昨夜からワンワンと耳鳴りまで加わって、なんだか幻聴みたいな気もするし、ああとうとう頭がおかしくなったのか、と思ったりしてたんだけど、だんだん読書も集中してできなくなってきて、本が読めないのは死活問題なので、仕方なく病院へ行くことにした。 医者ってすごいなあ、ちょいちょいと治療してもらったらすぐ治っちゃった。痛いと思ったらもっと早く来なさい、と怒られた。私は子どもか。
待合室で、中耳炎の治療に来ているらしい、小学2年生男子と話す。夏休み何して遊んでんの、と聞くと、セミ取り、だって。セミ取りかあ、いいなあ。私もしよ。
健康を取り戻したので、午後から淀屋橋に東松照明の写真を見に行く。それから中之島公園で、洲之内徹の「絵のなかの散歩」を読む。
「絵のなかの散歩」の中の、例えば『赤まんま忌』とか『佐藤哲三「赤帽平山氏」』などの章を読んだり、口絵の海老原喜之助の「ポアソニエール」を見たりして、平然としていられる人を私は絶対信用しない。これらは必ず人の心を動かして、揺さぶりまくるはずだと思う。もう頭を抱えちゃうよ。 「絵のなかの散歩」は品切れで、書店では手に入らない。世の中何かおかしい。それならせめて、「気まぐれ美術館」を「新潮文庫の100冊」に入れろ、と声を大にして言いたい。
海老原喜之助の「ポアソニエール」について、洲之内徹はこう書いている。 『こういう絵をひとりの人間の生きた手が創り出したのだと思うと、不思議に力が湧いてくる。人間の眼、人間の手というものは、やはり素晴らしいものだと思わずにはいられない。他のことは何でも疑ってみることもできるが、美しいものが美しいという事実だけは疑いようがない。』
・購入物:ナンシー関「ナンシー関大全」(文芸春秋) 暮しの手帖5号
・朝、昼食;チキンサンド、珈琲 夕食:外食(揚げワンタン、麦酒)
|