SprengerDiary

2005年02月08日(火) 小説の書き方 --

▼昔の社員の小説がamazonランキング上位に居座ってるのを見て、ぶっちゃけなんとも説明できない複雑な心境の今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。ちなみに「使用人兼役員」「賞与」で検索をかけてきた方、基本的にボーナスもらえません。役員報酬のみです。気をつけてください。
▼さて、新たなネットゲームに手をつけました。「ライアット・ガンナーズ」という過疎ゲームなんだけど、ネットゲーしてる気がまったくしません。、ネットという媒体を加味したシステム作った感じではなく、ネット対戦も出来るよって感じの特色の無いゲームです。課金しちゃったけど。
▼人間ダメになるのは早いもので、給料いいと「小説書いて金稼ぐど!」とかまったく思わないのであります。つうか、金稼ぎたいなら小説なんて書かないほうがいいのだけれど・・・。ううん、本当はめんどいだけかも。でもそこはそれ、お金とは別のところで魅力もあるし捨てきれないものなので、地道に頑張らねばとか、かなり緩い決意を再び心に灯すのでありました。というわけで、メモを兼ねた小説作法のお勉強開始。
▼なぜ書くのか。小説を書きたいという衝動は千差万別で、伝えたい「お話」「主張」「思想」がある場合や、自己顕示の方法として小説を選んだ場合など様々。衝動は薄らいで来たにも関わらず、意地で書くという人も。全ての「書きたい人」の立ち位置にたって考える事は不可能なので、ここでは漠然とした「書きたい」の所から考えることにする。
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インスピレーションで書き始める場合でも、それは無意識の中で資料集めを含めた工程をすでに終えているからこそ。ここでの資料集めとは「何を書くのか」に通じる情報・資料の収集となる。資料の種類は様々で、既存の小説を読むこともそれにあたるし、ニュースを見ることもそう。インスピレーションを刺激する情報を溜め込む段階を言う。おぼろげでも書きたいものが分かっている場合でも必須となる。歴史小説を書きたいとすれば歴史に関する資料を読み漁るのもいいのだが、早々にインスピレーションを刺激されたとしてもそこで情報収集を止めずに、ある一定の量まで収集を続けること。織田信長の生涯に興味が湧いたとしても、そこに焦点を当てた収集に移行することなく、広範囲での収集を続ける。資料集め初期の段階は溜め込むだけ溜め込む段階なので、広く浅くをモットーに表面をなぞるような資料・情報の蓄え方が理想となる。言ってしまえば初期は一般知識の蓄えであって、小説のためだけに適応されるものではない。ここで重要なのは「視野を広げる」ということ。一つの資料・情報から生み出されたインスピレーションは書き出す起爆剤としては凄いものがあるが、大抵すぐに減速し続かない。小説という長距離走に挑むからにはある程度万全の体制を整える必要があり、その為の溜め込みと錯覚する場合もあるが、本当に大事なのはそこじゃない。良質のインスピレーションは複数の情報が複合して生まれたもので、一つの情報に感化されたインスピレーションは裏づけの無い思いつきでしかないということ。
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中期では溜め込んだ情報をよく味わう段階となる。蓄えた情報を頭の中で転がして、空想夢想する段階。人ごみの中でにんまり笑うようになれば超一流。膨らますだけ膨らましてメモなど取らず、頭の中で転がしつづける。この時ストーリーや全体の世界観などが出来上がる事が多いわけだが、実際は使いものにならない。ここで思いついた全体像は余りにも脆弱で書き出す段階には達していない。良質の文章は書き足しでは無くて削り取った後に残ったものと言われているし、実際そうだと思う。なのでここでは膨らんだ頭の中の世界を壊す事になる。思いついたアイデアやお話、世界観を自分で否定する。揚げ足を取るかの用に否定して否定し続ける。生産性の悪い作業のようだが、これは客観的にみる為に必要な事なので、オーバーな位に否定しつづける。そして、どんなに否定しても粗があっても「それでも好き」と言えるものが必ずあるので、そこに到達するまで耐え抜く。生き残ったたった一つの「それでも好き」は「テーマ」として置くことが出来る。これが「書きたいもの」だ。もちろん、これが読者の「読みたいもの」であるとは限らないし、他人から見ればさほど価値の無いものである事が多い。あくまでも自分が、時間・労力・愛情を注いでもいいと思えるものを探し出すのがこの中期の段階である事を忘れてはいけない。
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散々溜め込んだ資料・情報をもとにたった一つの「テーマ」だけを残し、後期に入る。後期はテーマを理解する段階。情報を主観で温めた結果孵化したのがこの「テーマ」だが、このテーマは本来どういったものなのかを理解する必要がある。多種多様な資料・情報を無作為に食べた結果に生まれたテーマを、逆の手順で消化することで理解するのがいい。「テーマ」の分解作業だ。ここでお勧めするのが「マインド・マップ」という方法。単純にテーマを構築する要素を選ぶのではなく、枝分かれ式にテーマを構築している要素を構築している要素、といった感じに一つのテーマを複数・段階的に描く事が出来るのでかなりお勧め。従来「ブレーン・ストーミング」と言う方法が盛んに取り沙汰され、実際に使用したりもした。ブレーン・ストーミングはテーマから発想・連想できるものを列挙して行く方法で、ある意味ではテーマの分解・理解作業とも言える。ただ、テーマと列挙したものとの関わりあい方が不明瞭であり、余りにも際限が無いためお勧めできない。その性格上、資料集め初期《機櫚機佞任盪箸┐襪茲Δ妨えるが、小説ではお勧めできない。確かにテーマ候補が色々浮かぶのだが、「苦楽を共にしてもいいテーマ」では無いので、実際は失敗に終わる事の方が多い。話を「マインド・マップ」に戻したい所だが、説明するのはかなりの時間を有するので、リンク先か「人生に奇跡を起こすノート術(マインド・マップ放射思考)/きこ書房/トニー・ブザン」を読んで欲しい。タイトルだけ見ると何か如何わしい自己啓発にも見えるが、そこは疑い深い僕が吟味した後なのである程度信用して欲しい。まあ、同じ効果が得られればどんな方法でもいいのだけれど、この「マインド・マップ」はこの後の段階でも利用できるので覚えておいても損は無いと思う。
▼というわけで、ここまでが「テーマ=書きたいもの」を決めるまでの段階。以後の予定としては「構成」「キャラクター」「盗み方」とやって行きたいと思ったり。実は一番最初にあげた彼のベストセラーとなっている本の原稿を昔読ませてもらい、その際に彼がどういった作品が好きでどんなのを書きたいか根掘り葉掘り聞いたので、当の本人は無意識でも、検証すれば思考・発想・連想パターンが分かるので、実際を踏まえて考えることが出来る。ただ、成功するにはそれだけではなく、絶対的に努力が必要なのも感じた。発刊本は手元にある彼の初稿とは明らかに違い、描写力・語彙・文章に磨きがかかっている。自分が読んで面白いと思えるものを作品として素直に提示できるのは昔からのスタイルだけど、それが独り善がりにならず技術も兼ね備えているあたり素直に平伏。だから、今度おごってねw


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