久しぶりに、ヨーヨー・マのアパラチア・ワルツが聴きたくなってCDを引っぱり出す。 久しぶりに聞くと、本当にコダーイの無伴奏チェロとアパラチアは、全身、根こそぎ持っていかれる。 ヨーヨー・マの、熟達した活躍時期に、自分が間に合った幸運を思わずにはいられない。この天才の、たった一台のチェロが持ち得る、おそろしいほどの可能性。 全部、違うCDで、バッハの無伴奏チェロ一番は4つは聞いた。 けれどその全ての演奏が違い、完成度の差がなかった。 一回でいいから、最前列の、かぶり付きの、一番、音に近い席で、ヨーヨー・マのコダーイ無伴奏チェロが聞きたい。 あの、耳にするどく斬りかかってくる。暴力的なオープニング。 そのためなら10年寿命が縮んでもいい。 半ば、真面目にそういったら友人が笑って、そんないいモン聞いたら逆に寿命が10年延びるよ、と笑った。
それはそうかもしれない。
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