JIGOKUNOMISOGURA

2001年04月15日(日) こどもの時から。

八重桜は目立ちたがりなんだなと思っていました。
他の桜が、満開に咲き誇っているときに、ぽつんと枯れ木で、それだけでも目を引くのに、桜の散り時に一声に咲き出す。
花自体も、豪奢で、色も濃くて、目立ちたがりの、自分に注目して欲しい可愛い花だと思いました。
春は小雨と曇りが一番、好きです。
春の、霞んで曖昧な視界が好きです。
急にあたたまりだした、冬の空気が曇っているのか、花で霞んでいるのかは知りませんが、季節に合った天気だと思うのは曇りです。
八重は云うほど、すきではなく。一番、好きな桜は枝垂れですが、
曇りの日に、ぼんやりと川沿いを歩いていました。
八重というのは本当に良く出来た木で、花が付くのが遅いせいで葉も花とほぼ同時に芽吹くのに、花が着いている間は、木肌に同化したような沈んだ色で、花の色を損なわない。
木の存在は、葉と同じく無骨です。花が異種なのではないかと少し思う。
天気が曇りだと、世界がモノトーンに沈みます、全て霞む世界の中で、木の色は世界に同化します。
そんな天気の日に、八重が咲いていました。
濃い、紅色が世界に同化せず、くっきりと浮かんでいました。
視界に見える。鮮明な色はそれだけでした。
目立ちたがりの花なんだなと思いました。
もう、八重が咲いているんですね。


 < 過去  INDEX  未来 >


yanagisawa