後悔だけが人生さ　@2003年06月10日(火)

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故・寺山修司先生は
「さよならだけが人生さ」
という名文句を遺していかれましたが、
あたしはこれを改ざんして、
「後悔だけが人生さ」
と参りたいと思います。

おそらくは後悔のない人生などないのだと思う。
今、これをやらなかったら、きっと後悔するんだろうな。
今、これをしてしまったら、きっと後悔するんだろうな。
現在の時点ですっかりわかっている後悔の数々。
でも、あたしが思うに。
わかっていながらする後悔の方が断然多いのだ。

問題なのは、
人生から後悔を無くすとか、後悔なく生きるとかではなく、
必ずやってくる後悔と、どう向き合うかだろう。
後悔は人を弱くする。
何かの所為にしたくもなるだろう。
そこをグッとこらえられるか、こらえられないか、
それだけの違いなのだ。

はい、ここから暗い話に参りますよ。
今日のあたしはどこか暗いモード入ってますからね。

そもそも、人は、
自ら望んでこの世に生まれたわけじゃない。
英語では I was born. と書きます。
直訳すると「私は生まれた」ではなく、
「私は誕生させられた」という受動態であります。
能動的に生まれたわけではない命は、
その一つ一つが、
お父さん、お母さんから分け与えられたものであり、
自分だけのものではないのです。
もともと自分だけのものではない生を生き抜くのに、
迷いや苦しみがないわけないじゃないですか。
精神状態がズンドコゾーンに突入すると、
「生まれたくて生まれたわけじゃないわい」
と不貞腐れたりもします。
また、仏教では、苦しみ四天王があり、
一つは老いの苦しみ、二つ目は病の苦しみ、三つ目は死の苦しみ、
そして、なんてことでしょう、おうまいが〜。
大元が生の苦しみ。
生まれることがそもそも苦しみの始まりだ、
と説いています。
望んで生まれたわけでもないうえに、
生まれたことが全ての苦しみの始まりだなんて、
そりゃ吉田拓郎も「人間なんて　らら〜ら〜らららら〜ら〜」
って、ほりなげてしまいたくなるってもんでしょう。

だったらどうすりゃいんだ。

後悔や苦しみから逃れられないんなら、
後悔や苦しみを含めた人生を、
まるごと受け入れられればいんじゃない。
一分一秒も後悔なく生きれる人なんかいないんだし。（きっぱり）
生まれた時からすでに死が運命づけられているのだから、
人は潜在的に「生まれたことへの後悔」を抱いて生きているだろう。
その死を恐れるあまりに。

なら、後悔も苦しみもアリ。
らら〜ら〜らららら〜ら〜と歌うのもアリ。
くだらないことをするのもアリ。
怒るのもアリ。
歯向かうのもアリ。
やさぐれるのもアリ。

ただ
その命の終わりを、自分で、しっかりと
受け入れることさえできれば。


と、昨日、ものすごい頭の痛みに見舞われた時、
ふと思ったのでございました。


あたしはこれからも後悔の人なんだろうな。




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