| 激論「アメリカの押し付け」,NHKスペシャル「亡命イラク人たちの戦争」 |
中国一人旅の友人Mはアメリカのイラク攻撃容認派だ。 9.11テロがあった2000年に中東を長く旅した彼女が、どうしてそういう考えになるのかは非常に興味深いところ。 私は戦争反対派。当然激論になる。 Mとは面識のない、NY在住のゼミ仲間Oちゃんも交えて日本、中国、アメリカでメールの対話が続いている。
―以下引用。
> >(Oちゃんが言っているのは)アメリカの押し付けがいや、ってことでしょ? > > より良いものなら受け入れちゃえばいいのに何でそんなにこだわるんだろう、って > いっつも思う(笑)。
いや、もう結構毛だらけって感じ。(Mに言ってるのではないよ。) アメリカの「都合」の押し付けにはうんざり。 よいものだけくれ。くれといったものだけくれ。余計なもんまで押し付けるな。 ですよ。
> >アメリカのいう「解放」は「市場開放」ってことでしょう。 > > でもそこには人間の解放もついてくるんじゃないのかなぁ。
「だから受け入れろ」って武器やら、環境破壊やら、 市場経済至上主義やらキリスト教やら迷惑持ち込んで 「我々は正しいことをした、解放されたじゃないか」って 広告代理店使って世界にアピールするわけよ。
> >日本人に原爆・アメリカ許すまじの人はいるし、9・11テロをみて「ざまあみろ」 > >と思った人だっていっぱいいるよ。「戦争のおかげで」という考え方は私にはな > >いな。 > >原爆を落とされたことへの怒りや憎しみはあるし、アメリカの思うようにはさせ > >たくない、という気持ちもある。 > > もちろんそれはわかってるよ。 > でも、私のようにも考えるのも、真理ちゃんのように考えるのも自由、で、それを普 > 通に発言できる、これは戦争に負けてアメリカが与えた新しい体制の賜物だ、って個 > 人的にはいつも思う。 > どんなにアメリカが嫌でも、現時点では、アメリカの与えた土台、つまりアメリカの > 手のひらでああだこうだ言ってるわけで、自力でだったら相変わらず北朝鮮や中国み > たいな国だったと思う。
そうかもしれない。だからっていつまでもありがとう、 いつまでも掌にのってなくてもいいじゃん。 乗ってられると思ってるのも危険。
> 原爆については、あの時点での人々の意識水準や戦争っていう状況、実際未知の兵器 > だった事なんかも考えると、仕方がない、っていうのが大きい、個人的には。アメリ > カだけに、普通よりも高い今の時代のレベルのモラルを要求するのも変な話。あの当 > 時の日本が原爆持ってたらおんなじだったと思う。 > 日本が、あれがあって今があるのと同様、どんな国だって過去があってはじめて成功 > も失敗の未来に生かせるわけだからね。
アメリカだけに求めてないでしょ。 日本だって過去のことに拘られてるでしょ。 過去を仕方が無い、と考えるなら、現在もなお過去に拘るのも仕方ない。人間の業だよ。 > > > とにかく10年50年100年後のその国の国民が、あの時よりベターだって思える環 > 境の > > > 下地を作れるなら、アメリカがやっている&やろうとしてることが悪とは私は簡 > 単に > > > は言えない。 > > > >そんなの誰にも言えないよ。アメリカは「正しい」って言ってやってんだし。 > >何年後に誰がベターって言うのか知らないけど、今そこに生きている人たちを殺 > >さないでくれ。 > > もちろんそこに生活する国民がその国の中からそう思う、ってこと。 > 過去と比べてね。 > 日本に関しては少なくても私は「あの体制のもとの生まれないでよかった」って積極 > 的に思う。
私も思います。あの体制が良かったって人もかなりいるけどね。
> マイナスや失敗は人間である限り絶対ある。人間が構成する国家も絶対ある。それを > 反省・2度と失敗を繰り返さないように機能する体制や人々の思想が健康でいられる > 土壌、そんなものが大事。私個人はそう思う。
「失敗」を「失敗」ととらえない人がいる。政府がある。 国民にとって暗黒の歴史を「美しい時代」と伝説にしたがる支配者がいる。 「失敗」じゃないから繰り返してみたくなる。 「もうちょっとうまくやればもっと思い通りになるんじゃないか」 って考える。こわ。
> 戦争が大量破壊兵器で行われるようになって、あらゆる意識の国が、それを手に入れ > る事が可能だと、やっぱりすごくその辺は私は難しいと思う。アメリカが正しいとは > 言えないけど。
難しいからこそ、アメリカの掌でアメリカに譲ってばかり、 アメリカにゆすられて金出してるばかりは駄目なんだよ。 アジアの一員としてアラブやEUやアメリカ他と外交しなくちゃ、 と思う。
―引用終り。
これはMに確かめないとわからないが、何故「個人的に」って何度も断るんだろうか? 政府閣僚のように別に彼女の「公式見解」があるんだろうか?
NHKスペシャル「亡命イラク人たちの戦争」を見て泣く。 アメリカのイラク人街に住む、亡命イラク人兄弟の兄は長年戦場カメラマンをやっていた経験からイラク攻撃反対派。 彼はイラクに残った息子を開戦前に出国させることができなかった。 息子の安否が心配でたまらない。
弟は嘗てはフセインからも評価されていた著名な彫刻家。フセインの弾圧を受けて亡命。 フセイン政権打倒のためのイラク攻撃やむなし派。反フセインの作品を制作している。
2人はカフェで激しく口論する。 戦争が始まって民間人の被害状況を見聞きして、弟の考えと作品が変わってくる。 兄の、まだ大学生の息子は戦渦をなんとか生き延びる。戦争が終わった。 しかしその後の混乱の中、略奪にあった息子は命を落としてしまう…。
Mにメールを書いた後にこの番組を見た。やりきれない。 もしかするとMは、イラクにも広島・長崎の被爆者にも知り合いも家族もいない「個人として」戦争やむなし「戦争ってそんなもんでしょ」と考えるのだろうか。
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2003年05月17日(土)
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