慶応義塾大学病院,ビアステーション恵比寿,映画『Bowling for Clumbine』,銀兎

 身体の都合はなんとかなって、慶応病院産婦人科。
医師が席をはずした隙に私のカルテを捲っていると、
「カルテはあまり…(勝手に見ないで下さい)」と看護婦に言われる。
「いけないんですか?」と言いながら捲り続ける私。
「カルテの閲覧は…」と困った感じの看護婦さん。
「へえ、見たらいけないんだ…」とすっとぼける私。
私の情報なのに見ちゃいけないなんて変なの。
だったらページを開いたまま席をはずすのもいけないんじゃないか。

私が見たかったのは、以前診察台で写真を摂られた事があるからだ。
その写真はカルテに貼ってあるのか、知りたかった。
私がさらっと見た限りではその写真は見当たらなかった。
じゃあ、あの写真は何に使われたのだ?今、何所にあるんだ?
いつか確かめてみようと思う。

半年振りの超音波検査。医師は男性だったが、優しくて、説明も丁寧で不快度はかなり低い。

 それでもやはり病院は気が滅入るが、今日は天気が良く暖かくて気持ちがいい。
『ボウリング・フォー・コロンバイン』を見に行こう。
13時過ぎに『恵比寿ガーデンシネマ』に電話すると、
16:30の回なら見られるだろう、とのこと。
映画館の外まで列ができていて、チケットを買って予約を取るのに何十分も並ばされる。
今週から2館上映になったが、えらい混みようだ。

 時間潰しに『ビアステーション恵比寿』でランチ。鶏とナスのグリーンカレー。
禁煙席は開放的で明るくて、いい感じ。
オリジナルビールの恵比寿デュンケルと、ヘニンガーを飲んでいい気分。
私は頼まなかったが「お一人様用内緒のハーフサイズメニュー」というのもあって、
気が利いてる。

 『ボウリング・フォー・コロンバイン』は面白かった。
もっとゲラゲラ笑っちゃうのかと思ったが、結構真剣に見てしまった。
やっぱりアメリカの精神レベルなんて全然高くない。
中国ではこの映画やらないだろうか。Mにも見て欲しいと思う。

隣の男子はずーっと寝ていた。
見る前に「コロンバインって何?人の名前?」などと言っている人もいたので
「話題になってるらしいから見る」という人も多いんだろう。

映画が終わって外に出ると、もうレイトショーまで満席。諦めて帰る人多数。
すごいヒットだ。何故毎日レイトショーをやらないのだろう?

 ゼミ仲間のS君に『やらぬ仲』のエピソードをチェックしてもらうために会う。
名原さんとの共著『真理さんへ』の中で使うからだ。

S君が迎えに来てくれて、池袋『銀兎』。池袋らしからぬ白い異空間。広い。
メニューは創作和食。どれも美味しかった。

 話題になっているもの好きそうなS君は、『ボウリング・フォー・コロンバイン』のことを知らなかった。
「『ゆきゆきて神軍』みたいの?」と聞くから「そんな感じ」と言ったら「見たい見たい」。
もらった割引券をあげる。

 S君に会う前に池袋駅で、足を思いっきり踏まれて「いったーい!」と言ったら、
踏んだ男は連れの女に「今、オバチャンの足踏んじゃったよー」とヘラヘラしている。
殴ってやりたかった。「そんな事言ってる前に謝れ!」と言ってやりたかった。
でも「オバチャン」にショックで何も言えなかった。
という話をS君にしたら「そういう奴は一生直らない。そいつの環境が悪かったんだね」と言う。

「オバチャンと言われたからにはオバチャンとして教育してやるべきだったわ」
「絶対謝らないよ」
「そんなこと無いわよ。注意したこと無いでしょ?」
「無い」
「意外に『スミマセン』て素直に謝る場合もあるのよ」

S君は『銀兎』の店員が注文と違うものを持ってきても「いいよ俺食べる」。
クレーマークレーマーの私とは違う。

ゼミの公式MLを巡る激論から親睦系の新MLを作ったことに関しても否定的で、
2人の激論になる。
「あの言い争いは何も生まないじゃないか」とS君。
「親睦系MLができたじゃない」と私。
「管理者が気に食わないんだったら自分がやるって言えばいいんだ」
「メンバーは管理者にこうしてほしいとか、こうあるべきと言っていいんだよ」
「女性数人で包囲網をしいて苛めているみたい」
「確かに嫌な思いをしたことがある人たちだけどね。だけど仕返しが目的じゃない。『楽しくやりたい』から別の場を作った」
「そうやってたら、どんどん細分化していっちゃうじゃないか」
「そうだよ。そういうものだもん。それでいいんだよ」
「不便じゃないか」
「不便だったら参加しなきゃいいだけの話よ」
「皆が言いたい事言って、やりたい放題やって、それでいいのか」
「いいんじゃない?自分だけがやるんじゃないよ。みんなも言いたい事言ってやりたいようにやるならいいじゃない」
「やりたくなくてもやらなきゃならないことだってあるだろう」
「そんなの無いよ。やりたくなければやらなきゃいいんだよ」
「桜井さんだってOLやりたくないけどやってんだろう」
「生活のためよ。自分で選んでやってんだよ」
「そうじゃない人もいるだろう」
「OLがいやなら他に方法はあるよ。
ほしいもの、やりたいことのためにやらなきゃならないことはあるけど
本当に嫌なのにやらなきゃいけないことなんて何も無いよ。」
「屁理屈だ。そういう考えならしょうがないけど、全然駄目だと思うよ」 
「教えてよ。何があるの?S君がどうしてもやりたくないけどやらなきゃいけなくてやってることって何?」
「例えば家族、家庭とかだってあるじゃないか」
「家族を守りたいとか、いい家庭にしたいとか、やりたいことじゃん」
「桜井さんがディベートに強いっていうのはわかったけどさ、それじゃあ、良くないと思うな」
「ううう。そうか」

閉店時間になり店を出る。ポルシェはレッカー移動されないらしい。
車でも激論は続く。
「やりたくなくてもやらなきゃいけないこと、っていうのは『義務』だよ」とS君。
「ああ、そうなの。やっとわかった!でも義務だって放棄できるんだよ」
「権利は行使できないよね」
「そう。そういうことね。だけど私はS君を言い負かしたいとか、議論に勝ったとかそんなことは思ってないよ。理解したい、違いを知りたいから聞いてるの」
「そうお?」

ちょっと気まずい感じもするが、私は面白かった。S君は嫌だったかなあ。
2003年03月08日(土)

抱茎亭日乗 / エムサク

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