おぼしきこと言はぬは腹ふくるるわざ
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2004年10月26日(火) 『困りますファインマンさん』読了

 何の気なしに図書館で手にとって仕舞いついつい借りてしまう。
 御なじみノーベル物理賞学者リチャード・ファインマン博士の御茶目なエッセイ集。
 本書の圧巻は、スペースシャトル・チャレンジャー号墜落事件の調査会に参加したファインマン博士が大活躍する「ファインマンさん、ワシントンへ行く」だろう。
 この事故も懐かしいなあ。確か前の前に阪神が優勝した都市のことだったんだよな。この二つの記憶がリンクしているのは「バース爆発」の新聞見出しの横にあの有名なチャレンジャー号爆発の瞬間を捉えた写真が載っている冗談記事を見せられたから。作者は阪神ファンの天文学者H氏か、こういう政治ジョークをやらせたらおそらくわが国ではいしいひさいちについで二番目のK藤氏だろうと思うのだが今となってはそこまで覚えていない。
 とにかくも事故の原因がロケットのゴムパッキンが寒さのあまり硬くなっていた、という単純極まりない事実。そして現場の技術者の指摘を無視し続けた役所の官僚気質・なんでそんな厳寒の日にシャトルを打ち上げなければ成らなかったかといえばレーガンの年頭所信演説に合わせるため、というどうしょうもない「大人の事情」と、明らかになるにつれ、世の東西を問わず官僚のやることはどうしようもないのだなあ、という気にさせられた一冊。


べっきぃ