つんつん日記
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戦後ほどない沖縄でのこと。
三線の上手な少年がいた。
彼は寂しそうな顔をした青年と出会う。
少年は…得意の島唄で青年を慰めた。
徴兵され前線に赴き…生きて帰ってきた故郷沖縄。
しかし…家は跡形もなく…家族は皆死んでいた。
青年の唯一の友が少年だった。
後に…少年は島唄の名手となる。
世界的に知られる登川誠仁さんだ。
登川さんは青年の言葉を元に歌を作った。
島唄の名曲「戦後の嘆き」の誕生だ。
『故郷に帰り着いてみれば…もとの姿はない。 …こんなに変わり果ててしまって…これが戦争というものか… …ここにあるのは涙ばかり…』
代表曲だが…登川さんはステージで歌わない。
「青年のことを思い出すと涙で歌えない」。
しかし…昨年…CDのレコーディングで… …「戦後の嘆き」を歌うことになった。
即興の名手…登川さんは曲の最後に…即興で歌った。
“私は誰も恨まない。ただ、戦を始めた者だけを恨む”と…。
静かな怒りがほとばしった瞬間だ。
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