声なき会話の時代であるようだ。電車に乗って目にとまるのは……鏡を手に化粧をしている人たちと……携帯電話を手にメールを打ち込んでいる人たちだ。前者は…いわば自己との対話といえようか。後者は…もちろん他者との会話だろう。こんなことを想像してしまう。友だちと喫茶店に入る。まず携帯電話を取り出す。「何ニシヨウカ」…「紅茶。冷タイノ」。向きあっての無言の会話だ。ひょっとしたらお見合いの席でもそんなことになるかもしれない。