無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2005年10月05日(水) 災厄の日/ドラマ『赤い運命』第二話

 朝、起きたら、異様に寝汗を掻いている。
 下着がべとついて気持ちが悪いので、脱ごうと思うのだが、手足が痺れていて起きられない。時計は7時を回っているから、もうそろそろ仕事に出かける身支度をしなければならないのだが、頭痛が激しくて、とてもそんな段ではなさそうだ。
 風邪とはちょっと症状が違う感じだが、原因がなんだかよく分からない。最近、夜中によくしげに起こされているから寝不足は多少影響しているかもしれない。手先の痺れは、糖尿病のせいだろう。どうやら、血液がまたべたつき始めたようだ。
血行を良くしようと風呂に入る。少し気分はよくなってくるが、すぐに出勤というわけにはいかなそうだ。しげに頼んで、職場に遅刻の電話を入れてもらう。一日休んでいたいところだが、仕事が立て込んでいるのでそうもいかないのである。

 2時間ほどして、何とか痺れも取れた。頭痛は残っているが、この程度なら我慢できないほどではない。ちょっとイライラする程度である。出掛けにテレビで血液型占いが、「今日のB型は最悪」とか言ってやがる。言われなくても、現状を見ればその通りである。
 フラフラしていたので、しげに貰った昼の弁当を、玄関先に置き忘れてしまった。仕方がないので今日は昼飯抜きである。最悪はちゃんと始まっている。
 しげに車で最寄の駅まで送ってもらうが、駅の階段を昇り降りするのも億劫だったので、「職場まで直接送ってもらえないか」としげに頼んでみた。即答で「道が怖いからイヤ」と拒絶された。こちらが苦しい時でも、気遣ってくれる気持ちはこいつにはないのである。まあ分かっちゃいたことだから今更恨みはしないが、しげへの愛情も自然に目減りするのである。
 這う這うの体で職場までたどり着いたが、もちろん仕事はわやくちゃである。体調が戻ったら、何とかフォローしなきゃなるまい。

 ひと仕事終えて、休憩していると、飯塚コスモスコモンから電話。
 「公演のチケット代を振り込んでほしいんですけど」とのこと。
 実は昨日、飯塚までタンゴの公演を見に行く予定だったのだが、案の定、しげが愚図って、出かけるのを中止してキャンセルしていたのである。事前にキャンセルしても代金は払わなきゃならないとか聞いていなかったので、ほったらかしといたのだが、どうやらあちらの連絡ミスだったらしい。連絡ミスでも払わなきゃならないものは払うしかないので、一両日中に、と返事をする。
 ああ、やっぱり今日は厄日だ(涙)。外は小雨がぱらついている。

 
 福岡市が本気でオリンピックの招致に動き出したそうである。
 東京の石原都知事が「敵ではない」「治安の問題がね」とか言い出したんで、福岡の山崎広太郎市長が怒り心頭に発している様子であるが、確かに犯罪都市東京に福岡の治安のことを言われたくないなとは思うものの、かと言ってオリンピック招致なんて別に市民は望んじゃいないぞというのも大半の市民の本音だろうと思う。
 だいたい、福岡のどこにマトモに世界の選手を呼べるだけの競技施設があるってんだ。これから作るのか。そのカネ、誰が出すんだよ。
 博覧会とかオリンピックとか、要するに客寄せである。市政も県政もそれなりに文化振興とか体育振興とか、考えちゃいるんだろうけれども、モノには分相応ということがある。花火打ち上げたはいいものの、人家に落ちて大火事なんてことになりそうな気配が濃厚じゃないか。やめとこうよ、ねえ。


 アドレス変更してから、スパムメールはほぼ全くと言っていいほど来なくなっていたのですが、久しぶりにこんなのがきました。

> お忙しいところ申し訳有りませんが、< http://www.livedear××× > の地域異性紹介を担当している早坂友子と申しますが、今回地域紹介対象募集の件についてご連絡させて頂きました。
> 今回のご招待にあたって、当社は以下の約束を守ります。
> ■当社からのご招待ですので、配信されたアドレスでの登録料及び招待料など一切無料と設定させて頂きました。それだけではなく、≪1,000円分≫のサービスポイントも登録直後に自動追加と致します。更に�箜稜�(不正請求などの悪用は一切ございませんので、ご安心下さい)を行った直後、大量(12,000円分)の無料ポイントも24時間対応で追加致します。
> □貴方の登録情報を同地域異性へ随時通達致しますので、異性からのメールが直接貴方の方に届きます。当番組では異性全ての情報を確認可能となっております。
> ■男性の方なら、毎日希望地域から最低1名の逆×助希望女性を無料でご紹介致します。(当番組にご紹介された場合は最低金額5万になっております。)
> 権利開始→ < http://www.livedear1.××× >
> ※人数限定のご招待ですので、自動廃棄と認めた場合は権利回収となりますので、なるべくメール開封して24時間以内にご登録を完成するようお願い致します。
> 拒否は此方(Please inform the following address if this mail is unnecessary.)
cancel×××

 文面が硬くて事務的なんで、一瞬、何かのマジメな通知書なのかな、と錯覚させるのがミソだね。昔の「知り合いのフリする間違いメール」よりも進化はしてるけれども、女性は別に紹介してもらわなくていいので、申し訳ないけど無視させていただきます。拒否メールも送りません。
 スパムメールも手を変え品を変えであるが、普通の常識を持っていれば、引っかかることはまずない。逆に言えば、こういうのに引っかかる人というのは、やっぱり心の中にどこか隙間風が吹いているのを感じているからなんじゃないかと思う。
 「異性」というキーワードを見てついクリックしちゃうのは、よっぽどツライ目にあって、冷静な判断力をなくしちゃったんじゃないかと思うが、そこの引っかかったことがある人、その時どういう心理だったか教えちゃくれないかね。いや実際、どうしてこんな簡単なトリックにコロリと騙されちゃうのか、ワケがわからんのだ。


 読売新聞に以下の記事。

> 福岡県飯塚市の芝居小屋・嘉穂劇場を舞台にしたNHK福岡放送局制作のドラマ「いつか逢う町」(仮題)の撮影が4日、始まった。同劇場で行われた顔合わせで、主人公の畳職人を演じる永島敏行さんは「中年の迷いを演じ、人々の記憶に残る作品にしたい」とあいさつした。
> 転職で古里を離れることを考えていた畳職人が、大衆演劇が好きだった父の幽霊と出会い、古里の良さを再認識するストーリー。幽霊役をイッセー尾形さん、主人公の妻を藤吉久美子さんが演じる。
> 同放送局は2002年から毎年、「福岡発地域ドラマ」を作っており、今回はその4作目。ロケは同劇場や周辺市町などで26日まで。放送は12月の予定。

 NHKの地方放送局がドラマ制作を行っているのは、これまでは東京・名古屋・大阪だけだったのだが、記事にある通り、三年前から福岡も地元を舞台に、役者も地元出身の役者さんを主に使って良質のドラマを送り出している。
 過去の作品は、『うきは -少年たちの夏-』『玄海 〜わたしの海へ〜』『我こそサムライ!』の三本で、このうち、『玄海』は私も見た。中村有志さんが出演していたので、そちら目当てで見たのだが、原田大二郎の方が骨っぽい男を演じていてインパクトがあった。
 地方発の物語となると、郷土愛のあまり、どうしても「都会対田舎」みたいに図式的な、『青春の門』か『おもひでぽろぽろ』か、みたいなステロタイプに陥りがちである。下手をすると、故郷を無条件に賛美しただけの、底の浅いものになりかねない。
 この「福岡発地域ドラマ」シリーズ(思いっきりストレートなタイトルである)も、その傾向はないわけではないのだが、主に若手の新人俳優を主役に据えて青春ドラマとして仕立てていたことで、その新鮮さが物語の陳腐さをかなりカバーしていたように思う。
 しかし次回作は完全に「大人」の物語になりそうである。水害から立ち直って再建なった(私も些少ながら寄付はさせていただいた)嘉穂劇場を舞台に、というのは実にいいアイデアだと思うのだが、「古里の良さを再認識するストーリー」といういかにもありきたりな解説がちょっと気になるところだ。しかも「幽霊」が登場するというのは、良い方向に傾くかどうか、微妙なところである。即ち、超自然的な存在は、得てしてデウス・エクス・マキナとして機能してしまうからだ。物語のカタをうまいことつけるための便利屋みたいに「幽霊」を使われたんじゃ困るよなあ……なんて思いはするのだが、これは全てまだ見ぬ段階でのただの憶測。
 作品はともかく見てからでないと感想も批評もできるものではない。とりあえずはイッセーさんがどんな「演劇好きの幽霊」を演じてくれるのか、それを楽しみに放送を待ちたいと思う。


 ドラマ『赤い運命』第二話。
 一年分のストーリーを三話に圧縮するのだから、ヒロインがもう自分の取り違えの事実を知ってしまう。綾瀬はるかのデクノボー面は何とかならんかと思いながらも、まあデクノボーだから船越栄一郎がどんなに横暴でも娘として耐えていられるのかなあとか変な納得の仕方をする。
 設定上で文句を付けるとするならここで、そこまで実の父親でもない人間に入れ込むのなら、やっぱり子供の取り違えは幼児のころとして、船越栄一郎をハッキリと「育ての親」としておいてもよかったのではないかと思うのだが。でないと、ヒロインがいい子ちゃんになりすぎて、かえって感情移入を拒んでしまうのである。 今回は渡辺いっけいの狂いっぷりが第一話以上に目だっていて楽しい。記憶喪失で自分の妻になった紺野美沙子が、元夫の榎木孝明のもとに戻るのではないかと嫉妬に駆られ、榎木の父親の神山繁に、子供取り違えの一切合財をぶちまける。ショックを受けた神山繁は病床に就いてしまうのだが、渡辺いっけいがいなけりゃこの物語、なかなか転がって行かないんだよね。小心者の憎まれ者はドラマには必須である。
 ラスト近く、陸と海、防波堤と船上に分かれて対峙する榎木孝明と船越栄一郎のシーンは、今回の白眉。本来、憎み合う必要もなかったこの二人がこうして対立しなければならなかったというのも、タイトルどおり、「運命のいたずら」なのである。さらにその運命が、赤く、血に染まるのは次回、最終回。

2004年10月05日(火) 読み飛ばしていい日記その3
2003年10月05日(日) 追加日記4/『映画に毛が3本!』(黒田硫黄)ほか
2002年10月05日(土) 東京曼陀羅/「ミステリー文学資料館」ほか
2001年10月05日(金) 新番第4弾/『クレヨンしんちゃんスペシャル』/『化粧した男の冒険』(麻耶雄嵩・風祭壮太)ほか
2000年10月05日(木) ちょっと浮気(?!)とSFJAPANと/『荒野のコーマス屋敷』(シルヴィア・ウォー)ほか



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