無責任賛歌
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| 2004年11月06日(土) |
マイケル・ムーアの遠吠え/時雨沢恵一『キノの旅�次� |
真夜中にしげがいきなり部屋の模様替え。 私は寝ていて気付かなかったのだが、しげは仕事から帰って来て、夜通しずっとこれにかかりっきりになっていたらしい。窓のあたりに積み上げられていた本の山を移動させて場所を空け、これまで隣に並んでた私としげのパソコン机を向かい合わせにしていた。しげは「個室だ個室だ」と喜んでいるけれども、隣にいられると鬱陶しいってことなのかね。 周辺の棚なんかも一切合財移動である。机の上にあった荷物の類も片付けられたりしていたので、かなりな重労働だったと思うのだが、一人でよくもやれたものである。まあ、模様替えをすること自体に特に反対はしないのだけれども、私に全く何の相談もなくいきなりやられたのにはちょっとカチンと来た。しげが突発的に何かを思い立つのは今に始まったことではないが、たいていそれはトラブルの種になるからである。 案の定、あれはどこへやった、これはどこに片付けたと、紛失物が続出。だからどうして記憶力ないのに一気に何でもかんでも片付けようとするかな。毎日少しずつやるんならこんなこともなかろうに。一番困ったのは薬をどっかにやられてしまったことである。一種類は床に落ちてたのを私が見つけたのだが、もう一つが見つからない。しげに聞いても「気がつかなかった」である。気がつかなかったですむか、ばかたれが。 しげをどやしつけて、薬局まで薬を買いに行かせる。せっかくの連休だけれども、朝から気分が悪い。
休日出勤がやたら多かったので、久しぶりにゆっくり休んでる気がする。 のんべんだらりとテレビで『マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ ピュア』『ロックマンエグゼ ストリーム』『ケロロ軍曹』と続けて見る。 『ロックマン』のゲストキャラ、ドジで冴えない眼鏡っ娘OL・ユイを演じていたのが『プリンセスチュチュ』の加藤奈々絵さん。久しぶりにあのアヒル声を聞けたなあ。ちゃんと仕事をされていてよかったよかった。こういう個性的な声の人が伸びていってくれると嬉しい。 『ケロロ軍曹』は動物達を兵士に変える光線銃のエピソード。ほぼ原作通りで、特段の改変はない。ネコの変身姿が一瞬だったのも原作のまんまで、ちょっともったいなかったけれど。夏美、鈍感なとこはやっぱりヒロインとしては今一つ魅力に欠けると思うんだけれど、なぜかマンガやアニメでは鈍感キャラの方が受けるというのは、やっぱりオタクには深くくらいトラウマがあるのかね。
午前中のうちにレッド・キャベツに行って、水を汲む。 帰宅してしげに親子丼を作ってやる。そのあと亀の水槽を洗うつもりだったけれど、一週間の疲れが溜まっていたらしく、眠りこむ。 起きて日本映画専門チャンネルで、映画『天国にいちばん近い島』と『福耳』を続けて見る。まあ、『天国』は今見るといろんな意味でツライ。『福耳』は初見だったけれど、なかなかの佳作だった。幽霊の田中邦衛にカラダを乗っ取られたという設定の宮藤官九郎、一所懸命田中邦衛演技をしてるのがおかしい。決してうまくはないんだけれど、顔が全然主役顔じゃなくて間が抜けているので、何となくフラがあるのである。主役よりも脇の爺さん婆さんたち、谷啓や坂上次郎、千石規子といった連中が実にいい味を出している。録画すりゃよかったかな。 夜はチャンネルNECOで『タッチ』一挙放送。三部作の映画にテレビスペシャル2本もくっ付けて。映画の方はともかく、テレビスペシャル2本は、昔一回だけ見て、ずっと心の中で封印していたのだけれど、封印したままにしといてよかったかも(^_^;)。というわけで感想は特に言わない。
明日の練習に向けて、加藤君とよしひと嬢がお泊まりに来る。 しげも今日は仕事が7時〜10時と短いので、帰宅して3人で台本読み。声の調子や演技の間はかなりよくなってきているのだけれど、加藤くん、まだ時々セリフが抜けるぞ。アドリブが出せるようになったのは急成長だけれど、本番では使えないアドリブばかりだから、やっぱセリフは覚えるように。
読んだ本、時雨沢恵一『キノの旅�次 �the Beautiful World―』。 実を言うと私は、キノ本人よりも師匠のエピソードの方が好きだ。やっぱ女性は凛々しく強く、「したたか」でなきゃねえ。第1話での暴れっぷりを読んで満足してしまったので(目次カラーイラストも師匠だ!)、メインエピソードの『救われた国』の印象が薄かった。久しぶりのシズ様との再会、しかも美少女キャラも登場ってのにねえ。
さて、以下の文はマイケル・ムーアのホームページに掲載された「敗戦の弁」を要約したもの。( )内は、米選挙に興味なんてないであろう、しげその他の人に向けての注です(^o^)。
「『リストカットしないための17の理由』 1.ブッシュはもう2度と大統領に立候補できない。 (知ってる人は多いと思うが、米大統領は法律で三選はできない) 2.ブッシュは辛うじて勝てたにすぎない。 (前回からずっと不正疑惑はつきまとっている) 3.ケリーに投票した者は若者層が多かった。 (未来に希望が持てると言いたいらしい) 4.アメリカ人の大半は「アメリカは間違った方向に進んでいる」「イラク戦争は戦う意義がない」と思っている。 (でもブッシュが勝っちゃうんだよね。ムーアは「それがアメリカの不思議なところさ」とおちゃらけているけど) 5.上院では共和党は60議席に達しなかったから、フィルバスター戦術は有効である。 (牛歩戦術みたいに長い演説で審議を遅らせること。『華氏911』でもやってたね。これも言うまでもないが、ブッシュは共和党、ケリーは民主党である) 6.ミシガンほか、北東部の州ではケリーが勝ったところが多い。西海岸もハワイも。 (田舎はいざ知らず、リベラルな土地はちゃんと真実を分かっている、と言いたいのである) 7.オハイオ州がバカなのは仕方がない。 (不正疑惑のある電子投票機を製作しているディーボルド社の本社はオハイオ州にある) 8.ブッシュに投票した88% は白人だが、50年後には少数派になる。 (どうだかなあ?) 9.ゲイどうしの結婚が禁じられた州が増えたおかげで、御祝儀代が浮くようになった。 (もちろんこれは皮肉で言ってるのだね。マイケル・ムーアはゲイ差別には反対である) 10. 下院に5人の黒人議員が増えた。 11.コロラド州ではクアーズ・ビールのCEOが上院議員に落選した。 (社長のピーター・クアーズは、ゲイどうしの結婚を禁止するための憲法改正を支持していた) 12.おかげで「ブッシュ・ガールズ」は健在だ。 (ポルノ規制が厳しいブッシュ政権への反対を表明して、ポルノ女優たちが自分のブッシュ〔茂み〕を剃って、「ノーモアブッシュ」を訴えている) 13.各州の立法府では、民主党が多数派となった議会が三つ増えた。 14.ブッシュはもう任期を消化するだけだ。残りの4年、ケネバンクポートの牧場で永遠の金曜日のように過ごすだろう。 (メイン州ケネバンクポートにはブッシュ家の別荘がある。ハリウッド・セレブたちの豪華な別荘や、ギャラリー、アンティークショップ、お洒落なイタリアンレストランなどもあるアメリカ人にとって、憧れの海岸リゾート地だとか) 15. ブッシュは次のどちらかのシナリオを選択する。 (A) 選挙に勝った以上、もはやキリスト教原理主義者に媚を売らなくなる。 (B) 逆に再選で傲慢になり、ヘマをやらかす。共和党もブッシュを降ろすしかなくなるだろう。 ((A)は殆ど希望的な観測で、ムーア本人も信じちゃいないだろう。となると(B)の「ヘマ」がどれほど世界にとって大迷惑なものか、想像するだに恐ろしいが、当然、これもむーあは充分想定した上で皮肉を放っている) 16. 選挙権のある2億人のうち、ブッシュに投票したのは5千8百50万票。ケリー5千5百万票との票差はたった350万票で、この程度の惜敗に落胆する必要はない。希望を持て。 17. ケリー5千5百万票の得票数は、レーガンやブッシュ父や(民主党右派の)クリントンやゴアより多い。こんなに多数のアメリカ人がリベラル派に乗り換えたのは画期的だ。2008年の選挙を見よ。」
実際に「不正」が行われたどうかは正直分からない。 選挙結果が僅差だった場合、やたら「不正」を訴えたがる連中は多いが、少なくとも露骨にそう主張しないだけ、ムーアの敗戦の弁は潔いとは言える。けれど、やっぱりジャン=リュック・ゴダールが指摘した「ムーアが考えているほどブッシュはバカではない。このブッシュ攻撃は相手を利するだけだ」という言葉が結局は正鵠を射ていた以上、ムーアの弁を「引かれものの小唄」としか受け取らない人も多かろうと思う。 何度も書いている通り、ムーアの『華氏911』その他のブッシュ批判は、今更指摘されるまでもなく、誰もが先刻御承知のことである。ブッシュが標的をビン・ラディンからフセインにスライドさせた時も、イラクは大量破壊兵器を隠し持っていると主張したときも、それをマトモに信じた人間がどれだけいるというのだろう。アメリカも日本も、それが見え透いた「ウソ」だと承知した上で、自分たちの利益のためにあえて騙されて乗っかったのだ。だから、いくら「ブッシュに騙されるな」というキャンペーンを張られたところで、「騙されてるわけじゃない」としか返事のしようがない。「組織」に所属していれば保身のために不正と分かっていても、それを受け入れなきゃならないことだってあるというのに、それを真っ向から「不正をしていて良心に恥はないのか」と糾弾されても、我々は沈黙をもって答えるしかないのである。それが悔しくないわけではない。悔しいがどうすればいいのか。「選挙に行け?」それで何かが変わるわけでもないことが分かっているから、憤懣やる方ないのではないか。 町山智浩氏は、日記中にメリーランド大学での調査を引用して、「ブッシュ支持者の72%が『イラクには大量破壊兵器が存在した』と誤解している。ブッシュ政権が『間違いだった』と公式に認めた現在でもだ。ブッシュ支持者の75パーセントがブッシュ政権の公式発表を聞いていないことになる。さらに、ブッシュ支持者の75%が『イラクがアルカイダのテロに関わっていた』と考えている。アメリカ政府の国家調査委員会が公式に『イラクとテロは無関係』と認定した今でもだ。しかもブッシュ支持者の55%が『調査委員会はイラクとアルカイダの関係を認めた』と逆に信じている」と、アメリカ人の無知を批判している。さて、それがおおむね事実であるとしても、中にはやはり「分かっちゃいるけどあえて知らぬフリをした」人間もかなりいるのではないか。どこの世界に、「私は悪いことと知っていて、あえて悪いことをしています」などと正直に告白する人間がいるだろうか。「イラクには大量破壊兵器がない? ブッシュも認めた? それがどうした。それでも大量破壊兵器はあったんだよ」そう嘯く人間など、腐るほどいておかしくはないのである。そういう連中を「愚か」であると言い切ることは簡単であるが、そういう「愚かな連中」を相手にしなければならないことを充分に想定しなかったムーアの“読みの浅さ”が結果としてブッシュを利することになったのではないか。『華氏911』の退屈さは、結局、アメリカ国民の良心に訴えようとしたムーアの「一人よがり」に起因したものだったと言えそうである。
2002年11月06日(水) あのころ/『コミック1970』 2001年11月06日(火) 10年ぶりのスプラッタ/『西原理恵子の人生一年生』(西原理恵子)ほか 2000年11月06日(月) 別に国際化したいわけでもなし/『大人の国イギリスと子どもの国日本』(マークス寿子)
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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