無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年08月01日(日) あなたへ

 ある知人に関すること。
 その知り合いについての、基本的にはめでたい話を聞いたのだが、ちょっと素直にはお祝いを言えないような状況なのである。正直な話、その知り合いと言うのが、周囲からどのように見られているか、ということについて、あまりに無頓着であるからだ。
 多分、本人は喜んでいるのだろうし、私もその人の判断や決意、行動を基本的には支持したい。したいのだが、それに必要な具体的な準備とか、なにより心構えとか、そういうものが全くできてはいないと思うのだ。これまで自分がどういう行動を取ってきたか、そのことでどれだけ他人に迷惑をかけ、心配されてきたか、そのことをいったいどれだけ自覚しているのだろう。しかも話によると、このままでは、さらに周囲に迷惑を拡大させていきかねない状況もあるのである。果たして脳天気に喜んでいていいものなのかどうか。
 最近、その人とはすっかり疎遠になってしまっていて(私がその人を嫌っているわけではない)、この話も伝聞でしかないので、私の方から何かが言えることではない。その人が私に何も言ってこないのも、何かを言えば自分がたしなめられることを承知しているのであろう。あるいはそんな義理はないと、今はそう考えているのだろうか。見栄張りと言うか、根拠のないプライドだけは高い人だし、私ごときにたしなめられるというのは、本人にとってはどうにもガマンのできないことなのかもしれない。だからと言って、一度は縁があって、私の家にだって遊びに来たこともある人が、今、後先考えない行動を取っているというのは悲しくて仕方がない。
 ベクトルは必ずしもプラス方向に向かっているとは限らない。本人は甘く見ているのかもしれないが、マイナス要因は既にある。そのことから目を背けているというのなら、カタストロフは必然となろう。本当にいいのか、それで。
 ……心配しているのは私ばかりではない。「あなた」を知る人はみな「どうかしてる」と思っているのだ。やるせない気持ちでいる人もいる。せめてそこでいったん立ちどまって、今、自分がいるところをもう一度確かめてみる心の冷静さだけでも持ってほしいのだ。
 この日記をもしかして「あなた」は見ていないかもしれない。しかし、見ているかもしれないと思って、これを書いている。自分のことではないかと思ったら、今、本当に自分がしなければならないことが何かを、真剣に考えてほしい。なぜ、電話やメールで個人的にそのことを言わないかは、「あなた」にはきっとご承知頂けるだろう。
 ああ、それからこの話を私が誰から聞いたのか、なんて余計な詮索はしないように。どこからでも話は伝わってくるから。それが「あなた」が本当はどう見られているか、ということの、なによりの証拠なのです。


 台風は昨晩のうちに四国に上陸。九州は直撃ではないが暴風圏には入っている。とは言え、「ちょっとひどい雨」程度なので、今日の練習に支障は来さない。
 そう思って、朝方しげは鴉丸嬢に連絡を入れていた。ところが会話の様子がなんだかヘンである。どうも鴉丸嬢は、今日の練習は台風で中止、と思っていたらしい。
「そんなに雨降ってないのにねえ?」とフシギがりながらも、鴉丸嬢を車で迎えに行く。ところが、山を一つ越えて、鴉丸嬢の住所の近くに来た途端、豪雨と暴風がドッと襲ってきたのだ。道が一部、川になっているところもある。
 「何これ?」としげと二人で顔を見合わせた。どうやら、鴉丸嬢の家の近辺だけ、局地的な雨が降っているらしい。実際、鴉丸嬢を乗せて、今度は其ノ他君の家に回った途端、ウソのように空が晴れた。……雨の降ってる地域とそうでない地域の「切れ目」が、こうハッキリ分かれているというのもなかなか滅多に経験できることではない。
 鴉丸嬢、夕べは寝てない、というのでやたらハイ。ネットオークションにかけたイラストが、今度は五千円で売れたというので喜んでいる。三枚目でもうこの値段というのは、なかなかスゴイのではないか。もちろん、売れてるものには三万円の値段が付いているものもあるのだが、そこまで行けばもうちょっとしたプロ並である。そうなると、一枚二千円でイラスト書いてくれと頼んでるのがなんだか申し訳なってくるのだが、もちっと値上げした方がいいのだろうか(~_~;)。


 ともかく、「一部」が豪雨状態であることはハッキリしたので、今日の練習は打ち合わせだけで、早目に切り上げることにする。参加者はカトウ君、鴉丸嬢、其ノ他君、穂稀嬢、しげ、私。スケジュールの確認や、香盤表の作成、SE、MEも確定、黒子人員の確認など。黒子役者の場面ごとの割り振り、連絡担当なども決める。これでほぼこれからの「道」が見えてきたので、みんなウキウキしている。夕べまた寝ていないという鴉丸嬢はハイになってただけかもしれないが。
 今回の出演者、結局、あちらこちらからのお手伝いも含めて、男3人、女10人、計13人で、これまでの公演中、最多となった。年齢も16歳から30歳まで幅広い。デハケも一番ややこしく、かなり派手な舞台になりそうである。
 これまでが「これこれの人数でこれこれの練習量でこれこれの予算でやれる芝居は」という引き算の計算が多すぎた。今回も「とても照明までは手が回せない」ということで、照明効果を工夫することだけは諦めたのだが、拘れるところには拘ろう、つまり、「これだけの芝居を作るにはどれだけの準備がいるか」、という発想に切り替えているところがある。具体的には、音楽とダンスには力を入れている。「うまくなくても魅せる」というのがコンセプト。おかげで、使用曲も初稿から二転、三転し、かなりバラエティに富んで来た。……って、ダンス曲、最初は五曲のはずだったのに、いつの間にか八曲に増えてるじゃんかよ(^_^;)。
 今日は鴉丸嬢のテーマソングとして『プロジェクトA』の主題歌を追加することに決まったのだが、ここで鴉丸嬢も実はジャッキー・チェンのファンだったことが判明した。役と本人が偶然一致したという、まあなんというシンクロニシティ。なんでも『酔拳』のころからのファンだというから、年季は入っているんだが、初公開時、まだ生まれたばかりくらいじゃないのかな。ウチからDVD『ジャッキー・チェン・マイストーリー』&『マイスタント』を借りて有頂天である。
 初出演でもっともセリフの多いカトウ君はヒイヒイ言ってるが、あとひと月弱で全てのセリフを入れねばならないのである。しげは「私はもう入れたよ?」、鴉丸嬢は、「私も最初の芝居はひと月で入れたし」とプレッシャーをかけまくること。全く、イジメが大好きなことである。これもカトウ君への期待が大きい故であるが。

 練習は4時に引けて、カトウ君、穂稀嬢とはお別れ。
 鴉丸嬢、其ノ他君と連れ立って、ロイヤルホームセンターへ向かう。私はそこでまたカメの水槽の草とか、水質調整液とかを買う。「また買うの?」というしげの不満そうな顔は無視する。でも、文句言ってるわりに、しょっちゅう自分がエサをやりたがっているのだから、本当はカメを気に入っているのである。私が死んだらドブに捨てるとか言ってるが。
 水草は、こないだ買ったカメの遊び場になかなか亀吉たちが乗って遊んでくれないので、足場になりゃいいかと思ったのである。いや、うまく乗ってくれるかどうかはわからないんだが。異物に対して臆病になってるからなあ。

 そのあと、ダイヤモンドシティへ買い物に行く。雨は相変わらず降ってはいるが、峠は越したようで、これならばたいした水害にもなるまい。けれど、ダイヤモンドシティまでの道はやたら込んでいた。こんな雨天では、出かける人もきっと少なかろう、と思っていたのだが、それどころか晴れの日の休日よりも込んでいるのだ。見事にアテが外れたのだが、多分みんなも「こんな雨の日にはきっとダイヤモンドシティは空いているに違いない」と踏んだのだろうな。これもシンクロニシティか。雨天時の選挙の投票率とはエラい違いである。
 「満」「満」「満」と、駐車場はどこもかしこもひしめきあっていたが、ぐるぐる回って、何とかスペースを見つけて、駐車。携帯の新機種を見たり、フタバ図書で買い物したりで、結局3時間ほど散策。
 食事はピエトロだったが、偶然そこで知り合いが働いていた。なんだか知らないが、私に会って緊張したのか、やたら注文を取り違える。以前会った時、なにか立腹するようなことがあったわけじゃなし、別に取って食ったりはしないのになあ。

 帰宅して、早速、水草をカメの水槽に入れたのだが、やっぱりカメの遊び場には乗って来ない(T∇T)。
 今日読んだ本、マンガ、関崎俊三『ああ探偵事務所』6巻。
 ゴツボ★マサル『サムライチャンプルー』1巻。
 疲れてすぐ寝ちゃったので、読めた本はこれだけ


 山田風太郎原作・せがわまさき作画による『バジリスク 甲賀忍法帖』もテレビアニメ化決定。制作はGONZO。
 マンガ版がどこまで続くかわからないけれども、必ずしもマンガ版の結末と同じにならなくても、原作通りにアニメ化するという手もあるから、不自然に打ち切り、とかいう自体にはなるまい。キャラデザインももうあるのだから、『戦闘妖精雪風』の時のように、「原作のイメージとあまりにちがーう!」という声もあまり上がらないだろう。そもそもそういう人は、マンガ版自体、認めてないだろうから。
 制作体制で今回一番面白いのは、製作資金が個人投資家から集められる「アニメファンド!」から出される、という点である。ジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)、楽天証券、ジェット証券が、個人投資家から1口5万円で資金を集めてファンド化し運営するというシステム。映画ではたまにこの形で制作が行われることがあるけれども、アニメでは今回が初めてとか。
 投資した人は、上限10%の利回りが得られるだけでなくて、一定額以上の投資をした人は氏名がDVDのエンドロールに表示されるなどの特典も用意されているという話だが、そういう特典はさておいて、好きなマンガが、好きなスタッフによって作られるのならぜひ協力したい、という気にはなる。当たり前の話だが、予算が潤沢にあれば、作られる作品も当然、その予算に見合うだけの完成度が得られるからだ。
 恐らくGONZOも、対象となるのが『バジリスク』なら、広くファン層に、またそれ以外の所謂「投資家」にもアピールして、充分な予算が集められる、と計算したのだろう。やっぱねえ、オタクだけじゃあ、ちょっとその予算が賄えるかどうか分からないし、スレたオタクは「ファンに頼るな!」とか言って、かえってそういうやり方を嫌って、協力しないかもしれないし。全方位的に求められる作品、例えば宮崎駿監督作品のような質を“最低でも”保証している作品を送り出せる自信がなければ、とてもこの方式でアニメを制作しよう、という気にはなれないのではないか。まさにその対象として『バジリスク』がふさわしい、とGONZOが決断してくれたことが、私には嬉しくてたまらないのである。
 けれど一方でまた、今後こういう形での「投資」が定着化するかどうか、心配もある。当然、最初の何発かは成功してもらわないと、「なんだ、カネ出したのに、こんな出来にしかならなかったのか」とか、「利潤が出ねえじゃねえか、出し損か」とかいう反応がたくさん出れば、せっかく生まれようとしている送り手と受け手の新しい相互関係が失われてしまうことになる。「本当に求められている作品」を今後も送り出していけるのか、というのも課題だろう。このスタッフになら、作品がまだ海のものになるとも山のものになるとも分からない段階で、投資しても構わない、と思えるような制作プロダクションが、いったいどれだけあるものなのか。スタジオジブリは? シンエイ動画は? プロダクションI.G.は? マッドハウスは? 私がパッと思い付くのはこれくらいで、あとはいい作品作ってるところもあるけど、投資することまでは、と二の足を踏みたくなるところが多いのである。サンライズとかは、私にはちょっとねえ。「たとえ自分の意に染まない出来になったとしても文句を言わない」という覚悟がないと(あるいは完全に投資目的で、作品そのものには興味がない場合)、参加は難しいと思うのだが。
 私が迷うのは、もともと株とか投資自体を私はやらない、と決めていることである。けれど、今回の場合、『バジリスク』を応援したいだけであって、投資が目的なのではない。けれど、結果として投資を行うことになるのはどう判断すればいいのか。というのも、もしこれが「投資」目的でなければ、しげが絶対反対するに決まっているからだ。しげを説得するには、「大丈夫だ。ぜったい儲かる!」とゼニで釣るしかないのだが、それは私の目的とは全くベクトルが違うし……いや、困っているのである。

2003年08月01日(金) 引用は盗用じゃないぞ/映画『茄子 アンダルシアの夏』/『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』
2002年08月01日(木) MANGA ATACK!/テレビ特番『パワーパフガールズムービー』/『トランジスタにヴィーナス』4巻(竹本泉)ほか
2001年08月01日(水) 掲示板変更&21世紀の夏/『日本はなぜ負ける戦争をしたのか。 朝まで生テレビ!』(田原総一朗)ほか



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