無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年07月27日(火) だけーどボクにゃ前歯がないよ、虫歯の虫〜に食べられた♪

 昼間、突然しげからメールがある。ちょうど仕事の合間だったからよかったが、そろそろ『帰ってきたヨッパライ』をCメールの着メロにするのはやめようかと思う。
 内容は「今日、早く帰れない?」というもの。いきなりそんなことを言われても困るが、いったいどうしたのか聞き返してみると、「寂しいと」と一言。また持病の鬱が始まったらしい。とは言え、仕事がひと段落するには、もうしばらく時間がかかる。
 なんとか都合をつけて早引けすることにして、しげには「3時まで待て」とメールをする。ばたばたと仕事を片付けたのがちょうど3時。追い立てるようにしげから「今着いた」とのメール。駐車場に出てみると、待ち伏せていたようにしげの車が停まっている。
 車に乗りこんでも、しげは口を尖らせてモジモジしているばかりなので、「なんかあったのか?」と聞くが、はかばかしい返事をしない。いつものことだが、急にそんな気分になっただけらしい。「こういうのは困るぞ。しょっちゅう休むわけにはいかないし」と言うと、「わかっとう」と言って、涙目になる。これ以上は何か言っても無意味なので、ともかくどこかに食事に行くことにする。
 食事をする前に銀行に寄ってくれ、と頼んだら、ダイヤモンドシティまで連れて行かれた。「ここなら銀行も食事もいっぺんに行けるから」というのだが、あちこちうろつき回るだけで神経が疲れてしまうと言うのだから、かなり煮詰まっているのである。

 フタバ図書で、コミックスなど数冊を買う。
 しげはこないだ月嶋つぐみの『天使的探偵団』を読んで以来、「こいつらの人間関係はどうなってるんだ〜!」と喚いている。実はこの作品には『殺し屋田中一郎』という姉妹編があって、そちらとキャラクターの一部がリンクしているのである。『天使』を読んだだけではその人物相関図がよく分からないので、しげはあちこち本屋を回っては『田中一郎』シリーズを探していたのである。
 「そんなにこのマンガ面白かったか?」
 「うんにゃ。でもよくわかんないところがあると気になって仕方がないんだよう!」
 ……その反応は「鬱」というよりも「躁」なんじゃないのか(~_~;)。
 秋田書店のサスペリア・ミステリーを置いてある本屋自体少なくて、途方に暮れていたのだが、さすがフタバ図書、全6巻が見事に揃っていた。まあ、買いはしたけど、こういう買い方って、相当なムダガネ使いである。ケチなしげがそれでもほしがるのだから、やっぱりしげは今、躁状態にあるのである。

 ワーナーマイカルの前のフードコートで、食事。買ったばかりの『ガンダムエース』にかかっていたヒモを噛み切ろうとしたら、突然、歯が折れた。前から上顎の糸切り歯が虫歯になってはいたのだが、こんなに簡単に折れるとはなあ。よく見ると歯のウラにポッカリ穴が空いていて真っ黒。オモテからその「黒さ」が透けて見えるほどである。相当放置してたせいだろう、と言われそうだが、前にかかってた歯医者がヤブで、歯石を取ろうとして、歯の根元を削りすぎて折りかけたことがあるのだ。これはそのときの適当な治療が尾を引いているのだろう。
 痛みも特になかったのだが、しげの方が慌てふためいて奇声を上げる。
 「病院に行きぃ!」
 「そうだな、そのうち行くよ」
 「明日行きぃよ! 黴菌が入って死ぬよ!」
 その危険がないわけではなかろうが、それにしても慌てすぎである。なんでも、しげが学生のころ、本当に虫歯の毒が脳に回って死んだ先生がいたらしい。別に私は歯医者嫌いではないので、通院するに吝かではないのだが、そう煽られるのもかえって行きにくいものである。
 映画を見ようかと思ったが、しげが特に見たいというほどのものがない。『マッハ!』も『セカチュー』も『ハリポタ』も、昼間から1800円もかけて見たくはないと言う。仕方がないので帰宅。
 帰りに「グッデイ」に寄って、カメの抗菌・消臭リキッドなどを買う。カメが休むのにちょうどいい岩の置物などはないかと探しているのだが、適当なものがない。時間がか買ったので、駐車場で待たされていたしげ、ますます落ちこんでいる。「オレよりカメが好き、オレよりカメが好き」とブツブツ恨めしげに呟いている。恨み節を口にしているうちは、しげの鬱もたいしたことはなかろう。


 酔って階段から転落して入院中だった中島らも氏が、26日に死去。享年52。
 こないだ事故のことを日記に書いた時に、何となく感じてはいたのだが、こういう時の予感は往々にして当たる。多分、事故のニュースを聞いたらもファンの大半がそう思ったに違いない。こんなことなら、裁判で実刑くらってた方がよかったんじゃないか、というご意見もあろうが、「更生」したらも氏などらも氏ではないのは、以前も日記に書いた通り。そうなるべくしてなったのである。運命にとやかく文句をつけたところで、やるせないばかりである。
 らもさんについては、これからいろんな人が語るだろう。わかぎえふさんはもとより、シティボーイズのみなさんも、竹中直人さんも、いとうせいこうさんも、いつかどこかで、何かを語ると思う。けれど多分、その誰一人として、自分がらもさんの本質を本当に語れるとは思わないに違いない。エッセイストだったり作家だったり、ミュージシャンだったり、二十面相さながらの方だったが、ご本人が自分の本当の顔を忘れてしまっていたように思える。
 グータロウ君に電話して、「らもさん死んだよ」と告げる。「『ガダラの豚』まだ読んでないんだ」と言うので、「あれはいいぞ」と勧める。直木賞に落ちて推理作家協会賞を受賞した作品だが、あれはSF大賞を取ってしかるべき作品だった。

2003年07月27日(日) 揺れて揺れて揺れて/『のだめカンタービレ』1・2巻/『平成よっぱらい研究所 完全版』(二ノ宮知子)ほか
2002年07月27日(土) イナジュンはいいねえ〜♪/DVD『カタクリ家の幸福』/『雨柳堂夢咄』其ノ九(波津彬子)/『ガンダムエース』9月号ほか
2001年07月27日(金) 『クレしん・オトナ帝国同人誌』完成!掲示板も見てね/『怪』11号ほか



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