無責任賛歌
日記の表紙へ昨日の日記明日の日記




ホームページプロフィール掲示板「トーキング・ヘッド」メール
藤原敬之(ふじわら・けいし)

↑エンピツ投票ボタン(押すとコメントが変わります)
My追加


2002年05月09日(木) 明日は誰の夢を見るかしら(^o^)/『スーパーまるでん』3巻(森下裕美)ほか

 またヘンな夢を見た。
 東京にチャールズ・チャップリンの家があるのだが、たまたまチャップリンが東京に帰ってくると言うので、仲間ウチで会いに行くことにする。
 (チャップリン、もう20年以上前に死んでるんだけど)
 ついでにチャップリン秘蔵の日本の特撮に出演した美少年だけを集めたクリップビデオも鑑賞することに。
 (なんでちゃっプリンがンなもん秘蔵してるのか。第一チャップリンはホモじゃなくてロリコンだぞ)
 そのウワサを聞いたソルボンヌK子さんが同行することに。
 (おお! 昨日は唐沢俊一さんが夢に出て来て、今日はソルボンヌさんが! なんてゼイタクな夢!)
 けれど、チャップリンの家に来てみると、本人は留守。
 慌ててスイスのチャップリンの本宅に電話を掛ける私。
 チャップリンは流暢な日本語で「オウ、ゴメナサーイ、都合ガ悪クテ行ケナクナリマーシタ。ミナサンデ、美少年、楽シンデクダサーイ!」とか抜かしやがる。
 (いい加減で夢だと気づけよ)
 チャップリンに会えないのは残念だったが、この際だからと、長年疑問に思っていたことを質問してみる私。
 「アナタは、欽ちゃんを覚えていますか?」
 (萩本欽一はスイスまでチャップリンに会いに行ったことがあるのである。でもなんでそんなことワザワザ聞く必要があるのか)
 「欽チャン? 誰デスカァ、ソノ人。私、全然、知リマセーン」
 あまりに長電話していたため、ソルボンヌさんが「まだなのっ!」と怒り出す。慌てて上映会を始めるが、時間が足りなくて、5分間しか上映できなかった。
 しかも「美少年」とは名ばかり、ごくフツーの10歳くらいのガキンチョが三人、ヘッタクソな変身ポーズを取ってるだけ。
 もう、ソルボンヌさんが怒るまいことか(^_^;)。
 後日、ソルボンヌさん、日記で「有久の長電話のせいで、美少年ビデオが見られなかったのよッ!」と立腹されていたのだった。

 ……ツクってるとか思ってない?
 でもホントにこんな夢、見たんだよう。

 夢の話をすると面白がる人と、つまらなく感じる人と、二通りに分かれるようであるが、要は語り口ではないのかな。
 だいたいが「フィクション」自体が一つの夢ではないの。夢を面白く語れぬ人間は、「語り」そのものの才能に欠けると言ってもいい。……作家がよく「他人の夢語りは面白くない」と主張するのは「俺だったら、もっと面白く語るのに」という自負心の裏返しではないのか。
 だいたい、夢語りはつまんない、なんて言ってたら、漱石の『倫敦塔』や『夢十夜』はどうなっちゃうのよ。幻想文学の傑作じゃん。
 ……なんだか自分の夢語りを文学にかこつけて正当化しているように聞こえるかも知れないけれど、別に私は自分の夢が文学たりえると思って言ってるわけじゃないからね。

 「夢」に関する誤解の一つに、「夢語りをすると気が狂う」というのがある。
 誰だったかなあ、作家で「夢日記をつけてたら、一時的に気がヘンになった」とか発言してた人がいたよなあ。……夢枕獏か?(^o^)
 マンガ家では『ドリーム仮面』の中本繁が、やっぱり夢日記をつけてたせいで煮詰まっちゃったとかいうウワサがあったけど。
 確実なのは、夢野久作の『ドグラ・マグラ』を読んでたら、一時的にオカシクなっちゃった横溝正史。これは本人が対談で語ってたから間違いない。
 けれど、どれだけそういった「実例」があろうと、それは所詮、ただの俗説、フォークロアに過ぎないんじゃないか。
 いかにもマコトシヤカに言われているけれど、もともと作家やマンガ家は自らを狂気に置こうとしている面が大いにあるので、「夢語りをしたから」狂気に走った、というのは、いささか短絡すぎる結論のように思えるのだ。
 「夢日記」がその作家に内包されていた狂気を誘発した可能性はあるとしても、「夢」を見ること自体が「狂気」であるとは言いきれまい。
 一般人は、たとえ「夢日記」を毎日つけたって、「たかが夢じゃん」と思ってればれば、別に夢に引きずられたりする心配はないんじゃないかな。
 現に私がそうだし(^o^)。
 「夢と現実の区別がつかなくなる」なんて、そうそう起こることじゃない。
 確かに、夢の中での行為が「今朝は目玉焼きを食べた」とか、現実にあってもおかしくないことならば、錯覚してしまうことがあるかもしれない。けれど、たいていの夢は目覚めてみればあまりに荒唐無稽で、とても現実とは思えないものばかりだ。「今朝はアンモナイトの壷焼きを食った」という夢を、目覚めても「あれは現実だった!」と主張するヤツがいたら、そいつは夢を見る前から気が狂ってるよねえ。
 まあ、私が生前のチャップリンとマブダチだったってのは本当だが(^o^)。

 ……いや、本当にソルボンヌさんにお会いしてみたいね♪ 
 多分とってもステキな方だ。口はすごく悪そうだけど。


 相変わらず、いろんな会議が長引いて、駐車場でしげを待たせてしまう。

 ……「矛盾」という成語のもととなった故事はみなさんご存知であろう。
 出典は『韓非子』中の『難一篇』ないしは『難勢篇』である。
 「楚人に楯と矛とを鬻(ひさ)ぐ者あり。
  これを誉めて曰く、『吾が楯の堅きこと、能く陥(とお)す莫(な)きなり』と。
  又、その矛を誉めて曰く『吾が矛の利(するど)きこと、 物に於いて陥さざる無きなり』と。
  或る人曰く『子の矛を以って、子の楯を陥さば如何(いかん)』と。
  その人、応(こた)うる能(あた)わざるなり。」
 さて、私はこの「楚人」が、大店の丁稚であったろうと考える。
 因業な主人から、いい加減な職人が作った「能く陥す楯」と「陥さざる矛」を売ってこいと言われて、この丁稚は途方に暮れたのだ。
 自暴自棄の余り、丁稚は全く逆のことを言って、売ろうとした。
 結果、見物人に突っ込まれてしまったのだ。
 「そんないい加減なものは売れません」と、初めに主人に言えばよかったのか? たかが丁稚に、どうしてそんなことが言えるだろうか。
 けれど、彼が毎日毎日、「能く陥す楯」と「陥さざる矛」を売ってこいと言われ続けたら?
 それこそ、自分の「矛盾」が世間に周知の事実となってもなお、その「矛盾」を売れと強要されたら?
 どうせ誰も買わないものを、ウソをつき続けてまで売る必要が、果たしてあるのだろうか。

 ……何の話をしてるかって?
 だから、タトエばなしですよ(^o^)。

 晩飯はしげと一緒にマクドナルドのマックリブセット。
 しげはコーラで私はクー(白ブドウ味)。お茶にしようかと思ったのに、珍しい飲みモノに惹かれてしまった。せめて充実野菜にすべきだったか。
 以前はハンバーガーチェーンの中で一番マズイと思っていたマクドナルドだけれど、最近はマックリブだのベーコンレタスバーガーだの、まあ、食べて損した気分にならない程度のものが見受けられるようになった。
 でもよくわからんのは、あの「マックスター」ってヤツである。
 「スター」ってなんだよ、星でも食わすのか。
 私にはあれがただの「ダブルバーガー」にしか思えないのだが。


 帰宅して、久しぶりにアニメ『七人のナナ』第18話「雪降る告白? ナナとみんなの Happy X'mas!」 を見る。
 世間はクリスマスムード一色。……って、おい、世間はすっかり春なんだけど。もう、ドラマ上の時間の流れと、現実の時間とに齟齬があっても気にしないってことなんだろうな。それはそれで潔くはあるけれど、やっぱり少し違和感はあるな。再放送だと気にならないんだけど。
 受験勉強でクリスマスどころじゃないナナに、ほかのナナたち、せめて何かプレゼントをしようとアルバイトを計画。 けど、学校は当然「アルバイト禁止」なわけで……。
 ……ああ、しばらく見てないうちに、作画レベル、落ちてやがるなあ。
 口パク多い……っつーよりキャラ自体歪んでるし。後半、少し持ちなおしたものの、ナナレンジャーって設定でアクションを見せないんじやしょうがないじゃないのさ。1話1話のストーリーの構造が同じになっちゃってるのも、飽きが来る原因だろうなあ。
 なんだかいかにも女の子の、ロマンチックに明日を夢見てって結末にしてるけど、受験ものをそんなオブラートに包んだような描き方してもなんか偽善ぽくってね。所詮は「また一歩野望に近づいた!」って『野望の王国』と同じ構造してるてのによ。


 8日午後2時、北朝鮮からの亡命者と見られる五人家族が中国・瀋陽の日本総領事館から、中国の武装警官に連行されるという事件が起きる。
 ……マスコミの論調、またぞろ「日本の危機管理の無さ」ってことになるんだろうなあ。
 もちろん、それは当たっちゃいる。
 日本の危機管理はなってない。
 けどね、マスコミが言ってる、その「危機管理」ってヤツ、十中八九、意味を勘違いしてると思うんだよね。
 あるいは、そこには微妙な「ズレ」がある、と言うべきか。
 つまりさあ、あそこでぼーっと、コトのなりゆきを傍観していた総領事館員たちの姿を見ながらさあ、「日本人は何をやっとるんだ」とか、「いざというとき、ああいう職責のある身の人間が、本当に同朋を守ってくれるのか」とか、果ては「だから日本人はもっと愛国心を持たなきゃならない」とか、そっちのほうにズレていっちゃうコメンテーターが増えるんじゃないかってことなのね。
 そこまで行かなくとも、あの連行されてく子供の映像に、「ひ弱な自分」を重ね合わせて「カワイソウ」とか考えるヤツ、いくらでも出そうだよね?
 でもね、ここで問題にすべき「危機管理」ってのはさ、亡命者が北朝鮮の人間だったとしてだよ、「日本に他国からの亡命者がきた場合、それを認めるべきかどうか」「認めたとして、彼らの命を日本はきちんと守れるのかどうか」って問題だけなのよ、実は。
 あの亡命者たちに「日本人」を重ね合わせるなんて、「ズレ」以外のナニモノでもない。まずあの五人をやすやすと領事館内に入れたってことの方が、問題なのではないの? まかり間違って、アレが北朝鮮のスパイだったらどうするのよ(^_^;)。
 中国の警察官をやすやすと入れたってことより先に、別に武装警官でもない民間人を入れちゃったことの方をもっと問題にしなきゃならんのじゃないか?

 小泉首相、さっそく中国の対応に遺憾の意を表明したらしいけど、本気かねえ? 政府としてサテ、どこまで本気でこの事件に対応するつもりなのか。マスコミはともかく、世論はまず動かないと思うんだけどね。
 「どーせお隣り同士のイザコザじゃん、ほっとけほっとけ」とか言ってね。
 ……アノね、日本人ってね、日本人の血を引いてるフジモリさんは守るけど、北朝鮮の人間を中国から守ってやろうなんて発想はないのよ、全く。ココロ狭いんだから。
 本音では、多分、多数の日本人が、連行された五人がどうなろうが知ったこっちゃない、って思ってるのである。クソの役にも立たない日本を亡命先に選んだ時点で、アンタそりゃ自分から命捨ててるよ、って笑ってるんじゃないか。
 で、世論の後押しがなけりゃ何もできない(とゆーか、世論の後押しがないことを理由に何もしないでも政治家でいられる)日本の政治家には、本気で取り組むには、ちと荷の重い仕事だと思うんである。
 まあ、三ヶ月でウヤムヤになる、に5千点(^o^)。
 

 マンガ、森下裕美『スーパーまるでん』3巻(完結/集英社/ジャンブコミックス・デラックス・630円)。
 あー、森下さん、こんなのも書いてたっけ。
 どーしょーもない人間たちを描かせたら天下一品の森下さんだけど、これはまたスゴイ。何しろ感情移入できるキャラが殆どいない。ヤクザだったり怪力ブスだったりゲスだったりイヤミだったり。ある程度かわいいキャラ入れて毒を緩和してたのに、『まるでん』ではもー、一切、客に媚び売ってないって感じか?
 3巻で終わったのも宜なるかな。
 でも、何かこっちのマンガの方が「狙ったような」『コマゴマ』より、ずっと「森下さんらしく」見えるのも事実なんだけどね。

2001年05月09日(水) 病気で寝ててたいして書く事ないはずなのに(^_^;)/『死神の惑星』1・2巻(明智抄)



↑エンピツ投票ボタン
日記の表紙へ昨日の日記明日の日記

☆劇団メンバー日記リンク☆


藤原敬之(ふじわら・けいし)