委員長の日記
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2005年03月31日(木) 子育て支援って何?…“親子で遊ぼう!”を振り返って

2004年4月から日本財団の助成を受け、また可部・三入・亀山の3つの公民館との共催事業として実施してきた『子育て支援事業』が3月16日の“親子で遊ぼう!第6弾”をもって無事に(?)終了しました。
 『すべての子ども達に豊かな文化体験を!』をテーマに活動している私達ですが、理事をはじめ実際に運営に関わるメンバーはほとんどが、わが子は中高生以上…あるいは成人している人たちです。

そんな私達が若いお母さん達に、小さいときからの文化体験の大切さを訴え、鑑賞事業や講演会を企画してもなかなかその真意を伝えられない⇒具体的な動員数に繋がらない⇒会員数が増えない⇒運営が難しい…これはここ数年の可部だけではなく全国のすべての同じような活動を展開している団体共通の悩みでした。

まずは、若いお母さん達と出会う場を作っていこう!という思いで企画したのが、今年度実施した“親子で遊ぼう!”です。

これまでにも、公民館の育児サークルや保健所からの依頼で地域の育児サークルへ講師派遣として出向き、シーツ遊びや絵本の読み聞かせをしてきた実績はあったのですが、その中で自分達がわが子が幼い頃に当たり前のようにやっていた抱っこしながら触れ合って遊ぶ遊びを紹介したり、声をあげて喜ぶ子ども達の姿に感動するお母さん達の様子に、私達のほうが驚いてしまった…という状況があり、

『ひょとしたら、今の若いお母さん達は子どもの頃にこんなふうに遊んでもらっていないのかしら・・・?』『そういえばテレビでも親子で身体を使って遊ぶことが番組のテーマになって放映されていたよ!』『本当に!?』などという会話が交わされていたので、とにかくやってみよう!と取り組んだのが今年度の企画でした。

第1回の2004年6月、
『参加してくれる人がいるのかしら・・・?』という私達の不安をよそに、定員の15組を上回る参加者があり、その時に参加した7ヶ月の赤ちゃんのお母さんが終了後の感想に「わが子の、こんなに楽しそうな笑顔を初めて見ました・・」と書いてくださったのを読んで、この企画はきっと意味がある・・・という思いを新たにしたのでした。

ただ頭の上からシーツをふんわりかぶせてあげる…というだけの遊びでも、そのときに起きる優しい風の心地よさに思わず声をあげて喜ぶ子ども達、その子どもたちを見守るお母さんの優しい笑顔…そんな空間と時間を大切にして欲しい…私達の願いが少し届いたような気がした瞬間でした。

身体を使って思い切り遊んだ後には、必ず絵本の読み聞かせをしました。最初は山ほど用意していった絵本ですが、なぜか毎回子ども達が喜ぶ絵本は決まっていて…
結局、同じ絵本を繰り返し読んだのですが、そのたびに子ども達だけでなくお母さん達が子ども以上に目を輝かせて集中して聞いてくださることにも驚きました。
終了後の感想にも『絵本を選ぶのに困っていましたが、今回読んでいただいてとても参考になりました!』という言葉が多く見られました。
『ひょっとしたら・・・このお母さん達も絵本を読んでもらっていないのかな・・・?』

よく考えてみると、今の若いお母さん達は生まれた頃から各家庭に当たり前のようにテレビがありビデオも普及し始め、絵本を読むよりもテレビに子守りをしてもらった世代なのかもしれません。自分達が読んでもらっていないのに『子どもに絵本を読んであげましょう!』なんて言っても、何を読んであげたらいいのか分かるはずないよね・・・
この1年、この企画のおかげでたくさんの子ども達とお母さんと触れ合うことが出来ました。
子ども達に様々な文化体験を通じてバーチャルな世界だけでは育まれない豊かな感性を育てて欲しい!と願っている私達ですが、そのことの大切さを伝えるためには、まずその子ども達を育てている若い世代の親達に実感してもらうことが必要なのだということを教えられた1年でもありました。
と同時に、子どもを健やかに育てたい!と願う気持ちは昔も今も変わりは無いのだということにも気付かされた1年でした。

子ども達が笑顔になるときには必ずお母さんもお父さんもそれ以上に輝く笑顔で子ども達に向き合っています。
回り道のように思われるかもしれませんが、やっぱり私達のような『世話焼きおばさん』は必要なのかもしれない・・・
その証拠に、この企画をきっかけに幼児サロンの参加者は急激に増え、2月に実施した『ワッハッハコンサート』や3月の『童謡コンサート』にもたくさんの乳幼児を連れたお母さん達が参加してくれました。
これも毎回『親子遊び』の最後のお話タイムに、私たちの思いをしつこく(?)語り続けてきた成果だと思います。
「また、こんな企画をぜひ継続してください!!」というお母さん達の声を聞きながら、そんなことを考えたのでした。さあ、今年度はどんな形でこの成果をより大きく育てて行きましょうか・・・

まずはともあれ、年度終わりに不注意で足を骨折し、車椅子に乗りながらも実施した私の現在の切実な願いは…『世話焼きおばさん予備軍養成講座』が必要だ!

ということで、今年は親子遊びだけではなく、スタッフ養成講座も企画していこう!と考えているのです。世話焼きおばさんになりたい!!というあなた!ぜひ参加してくださいね。




委員長