委員長の日記
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2004年05月23日(日) 意味不明な設問

先日のYahooのトピックスに

『千葉の県立高入試で“難問” 受験生の半数0点 道案内の作文、選択肢に混乱』

という項目があった。

一体何のことだろう?と思ってクリックしてみたら…

問題は、

地図を見ながら、公民館までおじいさんを道案内する作文を書く
という出題内容らしいが、

記事をよく読んでみたら、

★ます、道案内をしてあげる、おじいさんの様子を


「急いでいるようだ」「体力がなさそう」「とても元気そう」「時間の余裕がありそう」
の4つの中から、自分で選んで選択し。

★また、公民館への道も、


急な上り坂のあるAの道か、平らなBの道
をこれまた自分で選んで選択し、

★そのあげく、設問の最後には


「あなたが、そのおじいさんにどのような配慮をしているのかがわかるように」
という文章まであったらしい。

何故0点が多かったかというと、色々悩んだ挙句に、時間がなくて書ききれなかったのだろう…という。
中には泣き出した子どもまでいたらしい。

っていうか・・・

この設問自体、一体どんな答えを書いたら、正解とみなすつもりだったのだろう?

実際に目の前にいるわけでもないおじいさんの状況を、想像しながら判断し、

その上で、地図上で2通りある公民館までの道筋を、おじいさんに説明し、案内するという状況をこれまた想像させ・・

その挙句に、その作文によって、自分自身が相手にどのような配慮を行っているのかが問われる・・・

子ども達は、自分達が選んだおじいさんの状況に対して点数がつくのか、

あるいは選んだ道のりに対して点数が付くのか

それとも、おじいさんに対する配慮に対して点数が付くのか

まずは、そこで思い悩み

また、どのような文章でそれを表現すれば、自分の配慮が分かってもらえるのかということで思い悩み

結果、何も書けなかった…というのが本当だろう

このようなテーマを提示した小作文の出題に当たっては、よほど出題者が頭をひねり、テーマを完結にしてやる努力をする必要があると思う。

子ども達の想像力を引き出そうとする意図があったのかもしれないが、このようなあいまいな出題の方法では、子ども達は自分達の想像力をどこまで引き出せるというのだろう。

ましてや、このような出題であるならば、その子どもの配慮が、設問者の意図を離れたところにあったとしても、それはそれで、子どもの精一杯の配慮なのだから、全ての回答が満点になるはずだ。

ということは、この問題に関しては、満点あるいは0点という配点しかありえない。

一体、どんな考えの下に、こんな設問をしたのだろう・・・

それも、子どもたちにとっては、人生を左右するかもしれないと思い込むくらい大切な高校入試の場で・・・

あきれ果てて、開いた口がふさがらない。

ここまで書いて、自分自身の中学のときの国語の定期試験のことをふと思い出した。

詳しい内容は覚えていないが
たしか、雑誌についての文章が途中まで書いてあって、

『この作者の意図を汲み取って、文章を最後まで完成させなさい…』という設問だったと思う。

自分なりに、結構自信のある回答だったのだが、返ってきた答案を見たら、満点ではなかった。

一体、どこが悪かったのかな?と思って、先生の赤ペンをチェックしたら…

雑誌と書かなくてはいけないところを、雑紙と書いていて、そこを一つ一つチェックして、減点されていて、文章そのものは満点だった。

ちくしょう!と思ったのも確かだが、まぁ、自分の文章に対する評価は良かったので妙に納得した覚えがある。

他の友達が、どんな文章を書いたのか、今は知る由もないけれど

あのときの国語の先生は、どんな基準で、採点していたのかな・・・って、ふと気になった。

でも、少なくとも、あの先生は、今回の設問を作った人たちよりは、国語力があったんじゃないかな…

想像力のない人たちが、想像力の必要な設問をすること事態矛盾してると思うのだが・・・






委員長