委員長の日記
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2004年03月21日(日) NO DU広島フォーラム報告

3月20日の委員長記では、NO DU広島主催のフォーラムの内容に付いての報告をしていなかったので…

セイブ・ザ・イラクチルドレン名古屋の招聘で、日本に放射線医療の研修に来られているイラク人お二人を招いてのフォーラムでした。

お二人は、長く続いた経済封鎖で、イラクの医師は、国際会議などへも参加できず、現在の最新医療などの情報から遠ざけられていたため、昨年のアメリカの空爆以後、劣化ウラン弾の影響と思われる子ども達の白血病患者の増加に対して、適切な処置ができないとおっしゃっていました。

確かに、医療設備も最悪の状況で、医薬品も足りない。。。何もかもが不足しているとおっしゃっていましたが、病院を建設し、そこに医療器具を配置したとしても、その施設を十分に使いこなすことのできる医師がいなければ何の役にも立たないのではないかと思います。

もちろん、昨日お会いしたお二人の医師は、そのために日本に来られて、名古屋の病院で研修を積まれていらっしゃるし、将来は、バグダッドに放射線専門の病院を建設したいと語っていらっしゃいました。

しかし、お二人と同じように、日本で研修を希望されている医師はもっともっとたくさんいらっしゃるはずです。

現に、今、広島にもイラクから医師を招聘しようという計画が動き始めています。
しかし、日本での受け入れ先の病院(広島大学医学部)も決まり、イラク側はすべての書類を調えていると言うのに、入国管理局の許可が下りず、なかなか事態が進展しないということでした。

せっかく、イラクで発行されたビザも、日本での手続きが長引けば長引くほど、滞在日数が減る結果となり、ということは、その医師が日本で研修できる日数が少なくなるということです。

もちろん名古屋へ来ているイラク人医師の渡航費用や滞在費、そしてこれから広島に招こうとしている医師のすべての費用は、ボランティアの人たちが集めたカンパや寄付金で賄われています。

真に、国際援助を行うつもりが日本の政府にあるのであれば、本来は、このような形での人道支援を積極的に行うべきなのではないでしょうか?

昨日の医師の発言のなかで、一番印象に残った言葉は、

『これらの白血病や、がん患者の急激な増加が、劣化ウラン弾の影響によるものかどうか、そのことが問題ではないのです。そのことは、様々なデータから、研究者の方達によって、これから明らかにされていくでしょう。しかし、私達は医師です。今、目の前で、適切な治療を施されることなく命を失っていこうとしている多くの患者達を救うことが私達にとっては一番大切なことなのです。』
というものでした。

もちろん、客観的に見て、劣化ウラン弾の影響は明白な事実だと私は思っていますが、そのことをアメリカや日本政府に認めさせるには、まだまだ時間がかかるでしょう。
しかし、劣化ウラン弾による被爆の事実をアメリカが認めないからといって、日本の政府がその治療を積極的に支援しないと言う理由にはならないと思うのです。

今、何がイラクで求められているのか・・・
そして、私達にできることは何なのか?
深く考えさせられた一日でした。


委員長