委員長の日記
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| 2003年03月14日(金) |
素敵だったね!!北京一さん |
委員長が待ちに待っていた日がやってきました。 そうです!北京一さんの「ソロマイム」公演の日がとうとうやってきたのです。
照明スタッフとの打ち合わせがあると言うことで、当日昼前に会場に来られた北さんは、3年前に広島で公演されたときのスタッフとの再会に大喜びされていました。 今回の公演を依頼したときから、照明は前回と同じスタッフでお願いします…という申し入れだったのですが、ロビーでスタッフの方とお会いしてびっくり! チーフの方は、以前“空”のメンバーが、青少年センターで、県の青少年健全育成大会に参加したときに「ソーラン」を踊ったときの照明の方だったのです。 そのときも、事前に簡単な打ち合わせをしただけだったのですが、当日は本当にばっちり照明を作ってくださって、音出しも、もちろん、ぴったりだったので、私にとっても印象に残る方だったのです。 さすが、北さんが見込んだだけのことはあるな…と、思わぬところで関心してしまいました。
照明の打ち合わせが終わり、仕込みが始まってから、私は北さんと、昼食をご一緒しながら、簡単な打ち合わせ…のはずだったのですが、 北さんの若い頃のことを知ってるんですよ!と話を向けると、「え〜〜〜っ!!?そんな人が広島にいたんですか?8・8ロックデイを聞きに来た?ほぉ〜〜!!なんか恥ずかしいなぁ・・・」 と、どんどん昔話に発展し、打ち合わせはどこかに飛んでいってしまったのでした。
その後、私はいったん別の用事で市内に出かけ、後のことは、実行委員の皆さんにおねがいしてあったのですが、「リハーサル見てもらってもかまいませんよ!」という、北さんのご好意で、数人の実行委員さんは、リハーサルを見せていただくことができたので、開演後も慌てて会場内に入らなくても済み、本当に助かりました。
さあ・・・いよいよ開演です・・・ 真っ暗な舞台の中央に、ふわぁ〜っと浮き上がった二つの手。 その流れるような動きに、会場の子どもも大人も吸い込まれていきました。
そして、最初の演目は「赤ちゃん」 あとで実行委員の一人が「あれは、絶対に子育てにしっかり関わってないと出来ない動きですよね!そうじゃないと、あんなに上手にオムツを替えたり出来ない。」と言ってましたが。 動きの一つ一つが本当に美しく、乳母車の大きさや、形だけでなく色までも目に見えているような錯覚にとらわれてしまいました。 空中に赤ちゃんを放り投げたあとは、会場内の子どもたちがみんな固唾を飲んで見ている様子が、張り詰めた空気でわかり、ちゃんとキャッチしたあとの、ほっとした空気が本当に心地よかったです。 1本目が終わり、舞台袖に消えていく北さん・・ 拍手をしよう・・と思ったのですが、誰も拍手をしません。 「あれ!?」と思ったのもつかの間、次の演目の前に、袖からのぞいた北さんが、マイムで「どうだった?」と尋ねると、堰を切ったような拍手が起こりました。
そうです、みんな、あまりの緊張感で、拍手をするのも忘れていたのです。
私が、子どもたちに経験して欲しかったのは、こんな緊張感なのです。 本当に素晴らしい舞台を見たときには、人は、拍手をするのも忘れて自分の世界に入ってしまいます。 けれども、そんな巣晴らしい舞台にはなかなか出会えないのです。 私が、委員の皆さんに「北さんは、本物なのよ!!」といい続けていた意味をわかってもらえた一瞬でした。
後半は、ワークショップ。 急遽お願いした中学生2人に、簡単なストーリーをパントマイムで演じてもらい、それを、北さんがその場で手直ししてもう一度演じてもらう、という構成なのですが。 北さんのちょっとしたアドバイスひとつで、演じている子どもたちの気持ちの変化がとても対照的にあらわされ、最後は、きちんと照明までつけてもらって、舞台の上で演じた2人に、みんな拍手喝采でした。 ワークショップの2つ目は、誰でも舞台に上がっていいよ!という北さんの呼びかけに、幼児から大人(三味線てっちゃんでした)までが、一緒に綱引きや、壁のマイムを教えてもらい、子どもたちの軽快な(?)動きに、会場は大爆笑! そして、最後にみんなで汲んだお水の一杯入ったバケツを舞台後ろから、正面まで担いで運んできたとき・・・(これは、一緒に運んでいたてっちゃんから聞いた話ですが)バケツを抱えている(もちろんマイムですよ!)子どもたちが、「重いよ〜〜!」って言ったのだそうです。
その夜の交流会で、そのことに話題が及ぶと「僕は、マイムは形を表現するものではないと思っています。マイムこそ、心を表現するものなのです。感じる心がないとマイムは意味がないのです。」と、北さんは言われました。
私が、初めて、生で北さんのマイムを見たときに、「これは本物だ!」と思ったのも、実はその心の表現力の素晴らしさだったのです。
交流会では、実行委員の一人一人のユニークな発言や行動に「なかなかみんな良い味だしてますねぇ〜」と笑われたのですが。 「でも、みなさんすごく、パワーを感じますよ!それは本当に素敵なことですよ。」といって下さいました。
そうそう・・・北さんは、今、東京では、様々なジャンルのアーティストと大きな舞台に取り組まれたり、国際的なショーのプロデュースをされていて、今回のようなソロマイムはほとんどやってない…と、おっしゃっていました。 「今回も、若手のアーティストが『北さん、どこに行くんですか?何をしに行くんですか?』と聞かれたので、かくかくしかじか…と説明したら、みんな『え〜っ!?そんなの、どこに行ったら見れるんですか?』と、うらやましがってましたよ!」と笑われていました。 今回、北さんの舞台を共有できた皆さんは、本当にラッキーだったのですよ!
最後に『また、呼んでくださいね!』と挨拶をして帰っていかれましたが… 本当に、またいつかお会いできたらいいなぁ!!
委員長

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