- 2008年08月27日(水) 円柱の森 あの陰影豊かな空間を、わたしはけして忘れない。 千年の祈りの反響し反響する空間を、一枚の木の葉のように通り抜けた。 わたしはそのことを、けして忘れない。 春の早暁の知床のオホーツク岩峰の上に座り、 一握の塵のように朝の光に照らされたことを忘れないように。 わたしが一枚の木の葉、一握の塵のようでなかったことがあろうか。 どこを通りすぎようと、どこにいようと、わたしはそういうものだ。 根付くこともなく、実を結ぶこともなく、風に吹かれ、吹かれ。 砂漠にあっても、山並みのうちにあっても、海底にあっても。 だがなにものが、そのようでないだろうか? もうすぐわたし、旅に出る。 -
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