終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2007年11月11日(日)

アルハンブラのあの青い、青い空

わたしは獅子の中庭に立っていた。
すがしい水音のもと、水盤を支える獅子の一頭が歩み出て
親しげな目つきで私を見上げた。
そこでわたしとかれは連れ立って白い砂の上を歩いていった。

わたしたちはアーチをくぐって泉の中庭に至った。
ふいに獅子がひとこえ低い声で吠えると、
三角の破風に刻まれた石膏の鳩たちがその声に驚きいっせいに飛び立った。
青い、青い空に向けて投げ上げられた無数の白い礫のよう、
シェラ・ネバダの銀嶺を背にして群れなす翼は飛んでいく。
驚き見上げるわたしに、獅子が笑った気配がした。

やがて高い丘の城を立ち去る私の頭上に
カルロス2世城の頂から飛び立ってきた青銅の鷲が
高く、高く円を描いた。


熱を出すと、こんな夢を見る。
どこまで本当かは知らない。


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