- 2007年10月10日(水) うすものだけで布団の中に横たわって、目を閉じる。来るだろうか、来ないだろうかとは問わなかった。ただ来てほしいと願っただけだ。たとえば暗闇に光をこいねがうように。たとえば一滴の水を求めるように。来てそこに西園寺が見るだろうもの、その願いとは異なるものがかれを傷つけたとしても、祐介は求めないわけにはいかなかった。それほど激しく渇いていた。 襖がかすかに鳴った。思い悩むような沈黙があって、やがて足音が近づいてくる。祐介は目を開いた。西園寺は膝をつき、祐介の上にかがみこんでいる。思わぬほどせいて両手を伸ばし、すがりついた。抱き留められる。 「…祐介」 「すいやせん、こんなのァ、本意じゃァござァせんでしょうに」 「言うんじゃァねえ」 「すまねェです」 「もう言うな」 「惚れてンです、旦那。惚れてンです、もう、どうしようもねェんで…」 くちを塞ぐように口づけされる。甘いとも熱いとも感じる余裕さえなかった。渇いた両手に冷たい水を汲むような、もどかしい悦びが背筋を走り抜けていった。 えー、これから引っ越しです -
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