- 2007年05月13日(日) 果て知れぬ高い峰の頂き、その底ぐらい洞穴にマグロールは眠っていた。それとも目覚めていない。太陽が老い、星々が褪せていくあいだずっと。 永遠ほどの長さ、歳月とともに年降るエルダアルの身にさえ長きにわたる怠惰についてのかれの言い分はこうだ。もう見た。もう聞いた。もう歌い、もう語り、殺し、愛し、憎んだ。我が力の及ぶ限り。そしてもう私の壜は満ちた。これより先へは行かぬ。それは無限に近い年月に裏打ちされていた。まことに分別あるなにびとも疑義を呈し得ぬほどの長さであった。 だが運命が常に分別を知るとは限らぬ。死すらはやがて死するがさだめ。さあれ死ならぬ眠りなればなお。マグロールの眠る洞穴ははじめ山の高みあり、やがて大陸とともに海の底へと沈んでいった。洞穴は小石と粘土と海の生き物たちによってふさがれ、暗黒と海水に満ち、さらに年経ていった。人の世に数えうる歳月を超えて星霜は過ぎゆき、だがある朝、 -
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