終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2006年03月02日(木)

ライティング・マシンのように元気に割り当て語数オーバーしてます。
明日でこんな日々も終りだ…終りのはず…終れ!(チクショウメ)

オオフルマカモメとゾウアザラシが愛らしい…。
死体掃除屋の凶悪さは、いっそ滑稽なほどだ。


 あなたは浜辺に上がる。八カ月ぶりの陸だ。海に慣れた体は重たい。だが胎の子がもう少しで生まれるということは、あなたにはもうわかっている。そこは夏だけ緑が点る小さな島で、その平たい、黒い浜辺があなたの出産の場だ。
 あなたはようやく到着した安堵に、長々と吼える。あなたは重い胴を長々と黒い砂の上に寝そべらせる。それは海の中とはまた異なる幸福感をあなたの体に染み渡らせ、あなたは短いひれで濡れた毛皮に覆われた体をはたく。夏の風は心地よく吹き渡る。
 そのとき、あなたは気づく。あなたよりも四倍も大きな体をしたオスが、大きな鼻から荒々しく息を吐き、豊かな胴を波打たせながら近づいてくる。あなたを自分のハーレムに誘い込もうというのだ。その求愛はおよそロマンチックとはほど遠い、力ずくの追い込みに等しいが、しかし昔からそういうものと決まっているし、逆らって相手をいらだたせるのも望ましくないことだ。あなたは導かれるまま、のろのろとオスのハーレムに入る。
 ああ、あなたの上に夏の日差しはめぐっている。胎の仔は幸福にのたうっている。波間で素早いタコを追いかける夢を見ているのだろうか。あなたはのびのびと砂の上に横たわり、仲間の尾の上に頭をのせる。そうだ、陽は高く、いまは長い午睡の時間だ。





倉橋由美子『暗い旅』の、二人称小説をかりてきてみました。
「あなた」はゾウアザラシのメスです。時期は夏の初め。出産時期で。
オリジナルで書くならこういうのがいいなーあ。


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