- 2005年10月20日(木) なんてこった! 以前に見た映画『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』で バッハ役を演じていたのがレオンハルトだったなんて!! そういやそうだよチェンバロ弾いてたよ! レオンハルトはチェンバロとオルガンの奏者としても有名だよ! なのに私は眠りこけていたよ……。 DVDで出ないかな。出ないと思うな。 というかふくらはぎ細いんだレオンハルト。(そこか) 憐れみを請う詞は人の想いのごとく湧き上がる。マルチェロは高い堂宇の天井を見上げた。それは幼いころからの癖であった。教会における典礼の歌唱のさなか、不安ともなにともつかぬ思いに駆られて高みをうかがうのは。 幼い頃には咎められれば殊勝に謝罪もしたが、癖は癖とみえて、団長位を得たこのときとなっても、マルチェロは、合唱の中で頭上を見上げている。丸天井は荘厳で天窓からは斜めに朝の光が射している。ときおりさっと飛び去るのは白鳩か、それとも鴎でもあろうか。そうだ、ここは海からそれほど離れてはいないから。そして祈りはすべてに満ちている。短いとも長いとも感じられる空白の時間を経て、マルチェロはゆっくりと前を向き直った。 憐れみを請う詞は人の想いのごとく湧き上がる。ククールは、壇上の兄がいつものように高みを見上げていることに気づいた。兄のその癖を知ったのは初めて修道院の礼拝に参加したその日だ。今は兄は見習い騎士の列の中にではなく、白い司教服をまとって壇上に立ってはいるが、その顔に浮かぶ不安とも悲しみともつかない表情は昔と少しも変わっていない。 マルチェロの上を鳥の影が走り抜けた。それはほんの一瞬のことだったがククールをひどく不安にさせた。だが前に進み出て兄の腕をつかむことも、名を呼ぶことも許されてはいない。ククールは、高まる歌のなかでただ立ち尽くし、兄がやがて地上に視線を返すようにと祈るように思っていた。 -
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