終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2004年09月20日(月)

9月12日、午前1時過ぎ。
栃木県小山市粟町の思川にかかる間中橋の上に、1台の黒いワゴン車が止まった。

間中橋は細い橋だ。少し水が出れば流れてしまう、と近所の住人は言う。
幅はどれくらいか。せいぜいが3−4メートル。
真ん中に2メートルほどの車道がとられ、両脇にそれぞれ1メートル程度、
細い針金のような鉄線の手すりの手前に歩行者のため幅が取られている。

ワゴン車は橋の真ん中よりやや東より、急な流れの真上に止まった。
ライトはついていたか。あるいはそのとき消えたか。それは知らない。
止まった車の運転席、扉が開き、背の低い男が降りてきた。
周囲は真っ暗だ、思川のそのあたりに街頭はなく、人家も遠い。
男は背が低かった。せいぜい150から155そこそこ。
年齢は40に届かないが、ひどく痩せてぎょろついた目という
その容貌は50にも見えただろう。

男は黙って助手席側に回りこんだ。見ている者はいなかった。
男は助手席の扉を開いた。見ている者はいなかった。
男は助手席から何かを取り上げ、川に投げ込んだ。
1度、また2度。川は音もなく何かを飲みこんだ。
男は再び運転席側に戻り、車に乗りこんだ。

車内は冷涼な秋の外気から戻ってきた男にとって蒸し暑く感じられた。
男は運転席のシートに座り、扉を閉めた。
後部のシートで何かが動き、男はぎょっとしたように振り返った。
暗がりの中で顔は見えなかった。男はつばを飲んだ。

「――」

男は黙って暗がりをにらみつけ、車を発進させた。
やがて車が国道4号に出て明るい道を走り始めたとき、
助手席の足元には、一冊の絵本が転がっていた。
絵本――違う、塗り絵の本だ。もう持ち主のいない…



14日、思川にかかる網代大橋より1キロ上流で、小林隼人ちゃんが遺体で発見。
16日、隼人ちゃん発見現場より約8キロ下流で、同一斗ちゃんが遺体で発見。

殺人容疑で逮捕された下山明宏容疑者は、同居人である殺害した2人の父親に対する不満を動機として述べ、また直接の契機として、犯行数時間前に2人に対して行った暴行が父親に知れるのを恐れたためと話した。


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