- 2003年05月12日(月) どうか幸いを、ほんとうの幸いを。 1: 少年Aの帰還。 彼はなにものとして戻るのか。 彼は何者として迎えられるのか。 彼の近況について私は知らない。 だが彼の罪は覚えている。 *少年A:平成9年の2〜3月にかけて、神戸市須磨区で 通学途中の小学4年生の女生徒を殺害、ほか3人を負傷させた。 また5月、同区内の小学6年男児を殺害、その頭部を小学校校門前に置く。 その後、「酒鬼薔薇聖斗」の名で報道各社に犯行声明を送りつけた。 当時わずか14歳だった。 2: 事件直後は「サイコパス」という言葉が流行った。 少年法の改正もこれが契機となった。 殺された男児の母の著書が話題となった。 これは確かに『社会的』事件だった。 なにかを意味していた。 だが我々はその意味を正しく解いただろうか? その答えは『社会』に還元されただろうか? 少年は20歳になって戻ってくる。 3: 当時私は大阪に住んでおり、神戸の事件は隣家のそれだった。 数年のうちに大阪教育大附属池田小学校の事件が起きた。 不安を覚えている。住宅街に不安が立ちこめていたのを覚えている。 ――彼は。 20歳になって戻ってくる。 そして何を見るだろうか。 かつて彼は一つの問いだった。 不気味な問いだった。 そして彼はまだ問いなのだ。 彼のことを思い出すたび、不安が立ち戻る。 彼は誰としてまた何として戻るのだろう? -
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