終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2003年01月06日(月)

赤い車のジョニー。

1:
私はあんまり夢を見ない。
見ても覚えていないと言うべきなのか。
同じ夢など見ない。
例外が一つだけ。

赤い車のジョニー(…)の夢である。
このネーミングはどうなんだと思われる向きに一言。
私は起きててもネーミングセンスはない。(きぱ)


2:
夢はたいてい夕暮れに始まる。
私は車に乗っている。
運転席の後ろ。後部座席だ。
助手席に乗っているのは仕事の相棒だったり、
同級生だったりする。
運転席に座る人の顔は見えない。
男というのだけわかる。
知ってはいるが、あまり親しくない男だ。
誰かははっきりしない、いつも。

車はレストランの前に止まる。
相棒(あるいは同級生)はそこで下りるのだ。
彼が下りてから、車がまた走り出す。

私はふと、「赤い車のジョニー」について思い出す。
「ジョニー」は殺人鬼だ。
赤い車に乗り、女を殺しては無残な死体を置いて行く。
私はふと、不安になる。

「大丈夫だよ」と、運転席の男が言う。
「この車はレンタカーだし、だいたい赤じゃない。
 だいたい俺は日本人だよ、ジョニーじゃない」

そうだ、そういえば、この車は紺だった。
運転している男もジョニーじゃない。
車は走る。


3:
車は走る。
物寂しい道だ。
ここでは仮に、下りたとしても、人の通りも駅もない。
私は不安になる。不安はいよいよ濃い。

「無駄だよ、逃げ出しても」
男は言う。私はぎくりとする。
そうだ、ジョニーとは国籍など知れぬ謎の殺人鬼ではなかったか。
車は。車は、そうだ。被害者の血で染められて赤くなるのではなかったか。
私は用心深く黙っている。
「逃げようがないからね。ここなら、追いかけてひき殺せる」
私は確信する。私はジョニーの車に乗り合わせた。
不安と恐怖は絶頂に達する。


4:
さて、この続きは。
……ナイ。
というのは、私はたいていそこで恐怖のあまり目を覚ますからだ。
そして寝ぼけた頭で、「今ごろ」「夢の中の私は」「切り刻まれている」と。
そう考えて悲しくなるのだ。


5:
典型的な悪夢だ。
そして、物語性に富んでいる。
一つの本を時を置いては繰り返し読むように、私はこの夢を見る。
フロイト流の解析は無用だが、意味を探したくさえなる。


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