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■ いつもの電車、地球の裏側。
ふっと意識が遠くに連れて行かれる瞬間がある。
たまたまi podの操作を間違えて、特に聴くつもりのなかった曲が流れてきたりするとき。終電近くの深夜の電車は変な空気がこもり、息苦しい。
遠くに見える東京湾の向こう側の灯りが海を明るくする。 そんないつもの風景なのに、アラニス・モリセットの歌声は11万キロ走ったわたしのカローラの中で響き、外を流れるのは、大きな赤っぽい岩がときどきごろりと現れる、ジンバブエの広い大地なのだ。
わたしにとって帰りたい場所はそこなのだ。
音楽はふいに、ひとを遠くへ連れて行ってしまう。 地球の裏側にでも、どこへでも。
ラジオを聴くのはそういう理由もある。 いつどんな曲が流れるのか、わからない。
そして、誰かが静かに喋っているその声。
いま読んでいる本。
石田千の文章は、ひとつひとつが絵みたいだ。丁寧に描かれた絵みたいだ。すてきな日本語だ。かなの使い方が憎い。
『月と菓子パン』
2008年03月11日(火)
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